重なり合った手 ページ13
隣に座っているニックンの手が
私の手の上に重ねられていた
隣にはマネージャー･･･
冗談が過ぎる･･･
だけど･･･
動かせない私の手
膝に乗せていたマフラーの下に
彼は掴んだ私の手を
忍ばせた
とてもイケナイ事をしている気持ちになる
解くことだって出来るのに･･･
そうしない、出来ない私･･･
マフラーの下で
彼の手が動く･･･
絡み合う指先
それだけで、私のカラダは熱くなっていた
ニックンが徐に
スマホを私に寄越した
【連絡先、教えて下さい】
スクリーンに浮かび上がっている文字
私は小さく首を横に振る
すると、彼は小さくため息をついた
そして、再度、私にスマホを寄越した
【じゃあ、今、絡み合ってる手を、マフラーから出すよ？】
彼は･･･小悪魔？
隣のマネージャーは、相変わらずスマホを弄っていて･･･
私は気が気でない
背中に冷や汗が流れる
【タイムアップ近付いてますよ？】
続けて彼はスマホを寄越してくる
どうすれば？
考えあぐねていると、ニックンの手が動き始めた
止めてっ！それだけはっ！
彼を見ると
困ったような笑みを浮かべている
私は彼の手からスマホを受け取り
慣れない左手で
タップし始めた
本当は
嘘の番号でも良かった
でも何故か
私はそうしなかった
きっと彼は
すぐにでも確認するだろう･･･そう思ったから
番号を入力し終え
彼にスマホを返す
案の定･･･彼はなに食わぬ顔で
その番号を登録して･･･コールした
私のコートのポケットが
小さく振動している
左手でポケットからスマホを取り出した
それを確認した彼は
ようやく
絡ませていた手を
解放してくれた
そうして初めて
私は
彼と絡み合っていた手が
淋しいと感じるのを
否定できない感覚に
彼に対する何かが産まれていると感じた
たった１日で？
悪い冗談･･･
どうしてこんな子供に振り回されてるの？
彼は遊び慣れてる？
頭の中で
グルグルと様々な考えが過ぎる
『･･･さん･･･Aさん？車に酔いましたか？』
私の隣に座っていたマネージャーが
私を覗き込んでいた
A『いえ･･･大丈夫です･･･』
反対側のニックンは
耳にイヤホンを突っ込んだまま
目を瞑っていた･･･
彼は余裕なんだろうか？
私をこんなにも戸惑わせて･･･
『もうすぐ着きますからね？少しだけ辛抱してください』
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紫月(プロフ) - 初めてコメント致します。ニックンの作品読みました。引き込まれました。チャンソン作品も楽しみに待ってます。 (2015年4月14日 23時) (
レス) id: 03ef754c9c (このIDを非表示/違反報告)
小梅(プロフ) - はい！楽しみにしてます！！(o_o)すみません！いまきずいたんですが、呼び捨てにしてましたね！(o_o)本当に申し訳ないです！m(__)m 改めまして…カシスジンジャーさんの作品大好きです！影ながらですが、これからも応援してます！頑張って下さい^ ^ (2015年2月10日 22時) (レス) id: eefe298f4d (このIDを非表示/違反報告)
カシスジンジャー(プロフ) - 小梅さん» ありがとうございます。現在、チャンソン、うーたん、滞っておりますが(涙)ﾎﾞﾁﾎﾞﾁ更新していきますので、宜しくお願い致します！大好きと言ってくださるお言葉がほんと励みになります！ (2015年2月5日 2時) (レス) id: 214caa11a4 (このIDを非表示/違反報告)
小梅(プロフ) - わー、ほんとに、なんか、ほんといつもカシスジンジャーの作品がとてもいいです。ほんとに大好きです！(o_o) いつも楽しみにしてます！このお話もとてもワクワクドキドキ、とても面白かったです！ (2015年2月1日 9時) (レス) id: eefe298f4d (このIDを非表示/違反報告)
カシスジンジャー(プロフ) - とっちーさん» 有難うございます。そう言ってくださる方がいらっしゃって、本当に嬉しいです！励みになります！ (2015年1月24日 13時) (レス) id: 214caa11a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カシスジンジャー
| 作成日時：2015年1月17日 7時
