今以上の幸せを２

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橙side





最近、順調に過ごせてたから、このまま出産までいける思ってたんやけど。

やっぱり自分の体の中に、別の命があるってことは、特別なことで。

さら〜っとは、行かせてくれへん。






ここ数日の腰の痛みは、正直半端なくて。

どう動いてもダメで、何もできん……

家にずっといるのは俺なのに、疲れて帰ってくる翔太くんに全部やらせて、また迷惑かけて。


ちょっと……いやかなり、へこんでる。






今日も朝から痛くて、今度は舘様まで巻き込んで。

すごく良くしてくれて、気にしなくていいよって言ってくれて。





でも……………だからこそ、申し訳ない。





舘様、今日お店お休みやってん。

俺のお世話でのせいで、自分の時間がなくなってもうた。






自分でやらなって、動かなアカンって思てるんよ。

でも今だって、横にならせてもらってて。





甘えすぎる、弱い自分が、嫌になる。





なんか…………俺ホンマにこんなんで、赤ちゃん生んでもええんかな、とか思い始めて……




………………どうしたらええの？






赤「康二。」


「…………はい。」


赤「そのままでいいからさ、聞いてくれる？」


「？……はい。」


赤「人ってさ、助け合わなきゃダメなんだよ。」


「え、」


赤「助けられるべき時間と、助けるべき時間
　 っていうのが、あると思うんだよね。」


「……はい。」


赤「それでさ、それはどっちも一緒には、
　 できないもので。」


「……うん。」


赤「康二は今、助けられるべき時間なんだよ。
　 で、俺たちは助けるべき時間。」


「っ……でもっ……」


赤「康二が俺たちのこと、特に翔太のことを
　 たくさん助けてくれてるの、わかってる
　 から。」


「そんなんっ……してへんっ…」


赤「してるよ。助けてくれてる本人は、
　 なかなか気づかないものかもね。
　 すごく自然にやってくれてるから。」


「……………」


赤「だからさ………いいんだよ、もっともっと
　 皆に甘えて。」


「っ！………」


赤「まだ足りないくらいだもの。特に、前も
　 言ったけど、翔太は不器用だから。
　 ちゃんと言わないと、伝わらない。」


「……っ………ぅっ………」


赤「翔太のこと、考えてくれてるんだよね。
　 でも、翔太は康二に、何でもしてあげたい
　 って、思ってるよ。」





そんなことない…………迷惑やもん。

あかん………なんか、涙出てきた……

もう嫌……なんで……

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