今以上の幸せを２

不安 ページ6

青side




橙「……ふぃー。」


「大丈夫？」


橙「うん。……ちょっと、疲れただけ。」





ついに臨月に入り、康二の腹はこれでもかというくらい付き出している。

おちびも、もうしっかりと大きくなって、いつ生まれても大丈夫らしいから、安心安心。

そのラストの成長に比例して、康二の様子にもまた変化が現れた。



まず、立ったり歩いたりするのが、けっこう辛いものに。

検診に行くにも散歩に行くにも、動きがゆっくりになっていて、大変そうだ。

時には補助が必要で。




橙「……よいしょ。ありがと、翔太くん。」


「はいよ。これは？」


橙「あ、いる！」





それから、悩ましいのは、




橙「ふぅー………んっ……」


「…あー、痛い？」


橙「……ん……ちょ、っと……」


「横んなって。摩るから。」


橙「ぁりがとっ……」




日に日に強くなる、腰痛。

おちびが大きくなったのと、出産が近づいて少しずつ下りて来てるのとで、骨盤が圧迫？されてるって言ってた。

これも、細身の体が仇になっているらしく。

腰回りが細いから、骨盤が狭くて、圧迫感も強い傾向があるとかないとか。





最近は、夜中にも。




橙「……んっ………んん、……っ…」


「……ん……？…」




声が聞こえた気がして、久しぶりに目が覚めて。

隣を見ると、起き上がってはいないものの、腰を押さえている姿。




「…康二………痛いな？」


橙「……んっ………ぅんっ……」


「どの辺？………ここ？…」


橙「んんっ………ったぃ、……」




うん、かなり痛そう。どうすべき？




「体勢変えてみるか。ちょっと手、貸して。」


橙「ぅんっ……」


「よいしょ。足、こっち。……どう？」


橙「んっ……ちょっと、…いい、かも……」


「またダメんなったら起こして。」


「うん……ありがとぉ……」




次の休み、検診だけど行けるか？
いやその前に、明日とか大丈夫か？








…………大丈夫じゃなかった。




橙「…っ……はぁ、……翔太くん、ごめんっ……」


「いいから。そのまま起きんな。」




痛みにも波があるんだけど、今日はちょっとヤバそうで。

まず起き上がれないから、どうしようかと。
とりあえず、職場に遅刻の連絡を入れて考える。

俺の母さんが来たって、補助は難しいだろうし。




「……………あ。」




今日は、休みか？………休みだ！

あいつなら、たぶん大丈夫。

そうと決まれば、




「……もしもし？朝からごめん。あのさ、」

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