今以上の幸せを２

＊ ページ47

緑side





青「康二ー。」


橙「なにー？」


青「コーヒー切れそうだから、ちょっと買って
　 くるわ。阿部ちゃんいるから安心だし。」


橙「え、今？ええけど……。」


「じゃあ、翔太が戻ってくる前に終わらせよ
　うね。」


橙「はぁい。翔太くん、行ってらっしゃい。」


青「おう。行ってくる。阿部ちゃんよろしく。」


「はいよ。任せて。」





翔太には、目処がついたところで連絡を入れることになってる。

よし、じゃあ始めようか。





「康二、いくつか質問しながら診ていくね。
　キツくなったらちゃんと言って。回復が遅く
　なっちゃうから。」


橙「うん。」


「じゃあまず、横になろうか。」


橙「座ってたら、あかん？」


「ダメじゃないけど、そっちの方がいい？」


橙「……うん。」


「わかった。じゃあソファに座って寄りかか
　って。」


橙「ありがとう………っ………よいしょ、」




ソファへの移動で、一瞬だけど顔が歪んだ。




「どこか痛む？」


橙「あ……大丈夫。」


「康二、隠しちゃダメだよ。翔太にも言われた
　ことない？」


橙「……ぇ、と…」


「育児は支え合いが大切だよ。心に余裕がない
　と、蓮くんにも伝わっちゃう。赤ちゃんは
　敏感だからね。」


橙「えっ……どうしよ……」


「今、翔太いないし、思ってること言ってごら
　ん？それで、翔太に手伝ってもらえるところ
　は、お願いしようね。」


橙「っ、翔太くんは……ダメやのっ…」


「どうして？」





うつむいてしまった康二。

これは、やっぱりなんか抱え込んじゃったんだね。





「康二、大丈夫だよ。ゆっくりでいいから。」


橙「翔太くんは……毎日お仕事に行かなアカン
　 の。」


「うん。そうだね。」


橙「……けど、最近は……蓮の夜泣きがすごくて、
　 いつも起こしてまうから……翔太くん、寝不
　 足で……ゆっくり休まんと、倒れちゃう……」





ああ、そういうことか。
やっぱり翔太のこと気にしてたんだ。





「そっか。それは心配だね。でも、じゃあ康
　は？康二は、いつお休みするの？」


橙「俺は、毎日おうちにいるから、ええの。
　 いつでも、休める。」





なんてことだ。
そういう考えになっちゃうのか。

こりゃ翔太も苦労するね。





「なるほど。じゃあ聞くね？おうちにいて
　ゆっくり休めたのって、どんなとき？」


橙「えっ？……んと…」






康二、翔太は康二が思っているより、ずっと強い男だと思うよ。

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