今以上の幸せを２

こんにちは ページ24

青side





橙「俺もおちびくんに会いたい……」


「もう少し良くなったらな。」


橙「大丈夫やのに……」


「だーめ。」





ふはっ、ほっぺ膨らまして拗ねてる。

そんな顔してもダメなんだからな。



おちびを迎えた後、頑張りすぎたのかね、ちょっと体に影響が出ちゃって。

こっちはハラハラしたんだぞ、バカ。

とりあえず、安静にするのは今日までだけど、油断はできないからね。





「本当になんともない？」


橙「ないよ、大丈夫。元気。せやからおちび、」


「それとこれとは別。今日まで安静だって、
　さっき言われたばっかりだろ。」


橙「……う〜っ、翔太くんの意地悪！」


「言ってろ。ダメなもんはダメ。」






まぁ、おちびに会いに行きたいのはわかるけどね。





橙「今日も、見てきた？」


「うん。」


橙「ええなぁ。元気やった。」


「寝てたからわかんねぇ。」


橙「そうなんや。翔太くんに似てる？俺な、
　 ちゃんと見る余裕なかってん。おさるさん
　 みたいやったんは覚えてるけど。」


「んー、どうだろ？」


橙「えー、見てきたんとちゃうの？」


「自分に似てるとかってわかんねぇよ。」


橙「翔太くんらしいなぁ。……あ、そうだ。
　 翔太くん、考えてくれた？」


「あー……うん、まぁ。」


橙「ホンマにっ？教えて。」




なんのことかって……




おちびのね、名前。




康二と一緒に、生まれる前からいろいろ調べて考えてたんだけど。

いくつかに絞っておいてほしいって言われて。

徹夜だよ徹夜。





「これ。」


橙「ん？…………へぇ……なんか、どれもええね。」




候補を書いた紙を見せたら、上々の反応。




橙「これも……あ、こっちもかっこええなぁ。
　 こっちは、優しい感じやね。迷うなぁ。」


「顔見てから決めればいいだろ。」


橙「ん、せやね。楽しみや。」


「そうだな。ほら、ちゃんとベッドに寄り
　かかってろ。せっかく上げてんだから。
　おちびに会う日が延びても知らねぇぞ。」


橙「んぇっ、そんなこと言わんといて！」





こんな会話も久しぶりな気がする。


ちょっと前までは、こいつの表情は苦痛に歪むばかりだった。

あんな表情、初めて見たから。

ちょっと…………いやかなり、不安だった。



その分、今の幸せは大きいんだけど。




橙「明日！翔太くん、明日一緒におちびに
　 会いに行こなぁ。」


「ん、了解。」






待っててな、おちび。

２人で一緒に会いに行くよ。

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