＊ ページ38
青side
母さんが帰って、康二の様子を見に来たけど、眠っている表情は、思っていたよりも穏やかで。
俺がベッドに腰かけると、
橙「……ん…？……しょうたくん…」
「起きた？どう？体調は。」
橙「ぅん……今は、いい感じ。」
「そう。飯、食えなかったって？」
橙「あ……えと、……ぅん…」
「責めてるわけじゃないよ。佐久間がゼリー
くれたから、後で食べてみる？」
橙「佐久間くんが？……うん、食べる。」
うん、確かに大丈夫そう。とりあえずひと安心。
ゼリーも食べられたし、シャワーも普通に浴びれたし、吐き気や眩暈もなさそう。
いろいろ済ませて、２人でベッドに入ってゆったりする時間。
橙「明日は、仕事行ってええよね？」
「朝の調子を見てからな。」
橙「もう大丈夫やって。」
「明日にならなきゃ、わかんねぇよ。」
橙「んもぅ、翔太くん頑固すぎやで？」
「どっちがだよ。」
そんな会話に、自然と笑顔がこぼれる。
毎日これならいいのになぁ。
橙「……翔太くん。」
「なに？」
橙「あんな、ちょっと………手、貸して？」
「手？……なんでよ。」
橙「ええから。」
「？……ん。」
言われた通りに差し出すと、俺の片手は………
康二の腹へと導かれた。
「どうした？」
橙「ちょっと、このまま、触っとって？」
「？？」
意味がよくわからないまま、康二の腹に手を当てている状態が続く。
「……ちょっと、」
橙「しぃー。」
話もできないまま、静かに過ぎる時間。
もう一度説明を求めようとした、その時だった。
"ﾎﾟｺｯ"
「…えっ？」
橙「んふっ、わかった？」
なんか……手に振動が。俺が戸惑っていると、
"ﾎﾟｺｯ"
ほら、また。
「なに、これ。」
橙「…たぶん、胎動やって。」
「ん？」
橙「赤ちゃん、動いてん。」
「え、………」
聞いたことはあった。でも……まじ？
「え……これが？」
橙「うん。翔太くんのお母さんも言っとった。
赤ちゃん、元気やなぁって。」
「……すげぇ。」
「ホンマにね。せやから俺も、赤ちゃん大きく
なるように頑張らな。」
今まで、直接は感じられなかった、命。
エコー写真に小さく、静かに写るだけの存在で。
でも今は、ちゃんと……動いてる。
また１つ、命の成長を感じた日。
ーーーーー
静と動編、完結です。
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ちゃい(プロフ) - まりゆんさん» はじめまして。読みに来ていただいてありがとうございます！温かいコメントも励みになります。これからも更新頑張りますので、よろしくお願い致します。 (2019年10月29日 20時) (
レス) id: 3fb2dd4ba2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - mitsu0321さん» はじめまして。コメントありがとうございます！幸せなお話を目指して始めたので、そう言っていただけて嬉しいです。今後もお時間があるときは、目を通しに来ていただけると嬉しいです！ (2019年10月29日 20時) (レス) id: 3fb2dd4ba2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - ちゃきさん» コメントありがとうございます！１番だなんて…恐縮です。これからも続けていきますので、目を通していただけると嬉しいです！よろしくお願い致します。 (2019年10月29日 20時) (レス) id: 3fb2dd4ba2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - みさきさん» 楽しみにしてくださって、ありがとうございます！嬉しいですっ！これからも、少しずつですが更新していきますので、よろしくお願い致します。 (2019年10月29日 20時) (レス) id: 3fb2dd4ba2 (このIDを非表示/違反報告)
まりゆん(プロフ) - はじめまして、更新ありがとうございます。毎日とても楽しみに読ませて頂いてます！幸せそうな２人に癒されてます。これからも楽しみにしております！ (2019年10月27日 23時) (レス) id: 474aa9364a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃい
| 作成日時：2019年9月28日 23時
