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｢ねえ！もうやめてよ、死んじゃう！｣
｢…死ねばいいと思って殴ってます。｣
振りかざし続けていた拳に、首から錠をぶら下げたみっともない姿の女がすがりついてきて我に返る。
どんな悪口も耐えてきた。教科書やペンを風の魔法で窓の外に飛ばされた時も、上履きを火の魔法で塵にされた時だって。
リドル先輩はこんな私もお茶会に参加させてくれたし、トレイ先輩は私をからかう人達を注意してくれた。私が周りと馴染めるようにケイト先輩がマジカメに2ショットをupしてくれたこともある。
3人の支えがあったからめげずにやってこれたのだ。
彼らの応援を無駄にはしたくない。だから全部聞こえない振りをしてきた。私が我慢すればいい。
だけど、図書室に嫌という程響いたその言葉だけは許せなかった。
｢先輩。｣
｢なッ、なによ…！｣
｢この人あと何回殴ったら、二度とクソッタレみたいな噂話しなくなると思いますか。｣
そう聞いたのに、彼女は質問に答えてくれなかった。
体の関係？賄賂？冗談じゃない。
トレイ先輩は腫れ物のような扱いを受ける私に手を差し伸べてくれた世界でいちばん優しい人。
もう意識のないコイツは確かトレイ先輩と同学年だった気がする。一体今まで、トレイ先輩の何を見てきたんだろう。
｢なんの騒ぎですか！！！｣
後ろから慌てた声が聞こえた。
…クロウリー先生の声だ。
私たちの間に割って入り、先生は交互に顔を見た。
私はきっと酷い顔をしている。先輩を酷く貶された怒りと、その原因を作った自責の念で頭がぐちゃぐちゃだった。
殴った興奮で肩で息をする私にクロウリー先生が声をかける。｢事情を聞くから、こっちに来なさい。｣
はい、と呟くと先生は私の手を引き図書室の外へ連れて行こうとする。私、退学になっちゃうかな。
自分のか相手のものか分からない拳の血が、私の指を伝ってクロウリー先生の手袋に赤いシミを作る。
｢あ、ローズハート君。
彼らの事頼んでもいいですか？｣
｢分かりました…。
その、Aは…。｣
｢A君の事情は本人から聞くので大丈夫です。｣
途中、リドル先輩と目が合ったのに申し訳なくてすぐに逸らしてしまった。
リドル先輩とトレイ先輩が幼なじみだってことは知っているから、私のせいでトレイ先輩が酷い噂話のネタにさせてしまった罪悪感で潰れそうだった。
すれ違う時彼がマジペンを握っていたのが見えたから、多分私が殴ってなきゃ彼がやっていただろう。先輩としてはあと100発ぐらい足りないだろうけど、でもそう考えると連れていかれるのが私で良かった。
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あ お 子。(プロフ) - ヲヲクさん» ありがとうございます！ゆっくりになってしまいますが、面白いと言っていただけるようこれからも頑張ります…！続編もよろしくお願いします！ (2020年8月2日 9時) (
レス) id: e194d3533b (このIDを非表示/違反報告)
ヲヲク(プロフ) - 凄く面白いです！頑張ってください！ (2020年8月1日 21時) (レス) id: 9efd66ac59 (このIDを非表示/違反報告)
あ お 子。(プロフ) - 鹿野ユズナさん» 本当ですね。すぐに修正しておきます。ご指摘ありがとうございました。 (2020年7月18日 5時) (レス) id: e194d3533b (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - 最後の自己紹介、ディアになってますよ。クロウリーですよね？ (2020年7月18日 2時) (レス) id: 6c05b173a1 (このIDを非表示/違反報告)
あ お 子。(プロフ) - うささん» ありがとうございます！更新速度上げられるように頑張ります…！！ (2020年7月4日 19時) (レス) id: e194d3533b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお子。 | 作成日時：2020年3月31日 22時
