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恐る恐る振り向くと、そこにはトレイ先輩が居た。待って不意打ち。
図書室の事、先輩の耳にも入ってたらどうしよう。やっぱり預かるんじゃなかった…なんて。そんなこと言う人じゃないって事は分かっている。でも私の思考は直ぐに後ろ向きになるから余計なことばかり考えてしまう。

声も出せずに見つめるだけの私。でも先輩は次の瞬間にはニコリと笑顔を浮かべてくれたので、私はそれに深く安堵した。良かった…。

「A、元気だったか?
体調崩したりしてないか?」
「全然元気です!
あの…心配かけてごめんなさい。」

ヴィルさんから聞きました、と話せば「お前が平気なら別にいいんだ。」と言ってくれた。スパダリ。トレイ先輩って怒ることあんのかな…。私の隣に腰掛ける彼を見つめながら思う。

「トレイ君よく後ろ姿で気付いたね。
みーんな同じ服なのに。」
「ん?まぁ、なんとなくな。」
「Aちゃんがちっちゃいから分かったのかな?」
「そりゃあここ3年生の列だし周りも背が高い人多いですけど…私、女子にしては高いほうですよ。」
「でも俺とは10センチ差あるし〜。」
「ケイト先輩ってば3年生の中だと低い方だからって女子と競わないでくださいよ〜。」
「…。」
「いたいいたいいたい!!!!」

無言でアイアンクローされた。この人女子生徒にはチャラい癖に私に暴力的になるのどうにかして欲しい。「こら、ケイト。」とトレイ先輩が窘める。

「背丈とかじゃないよ、俺がAだって気付いたのは。」
「え?なんでなんで?」
「ケイト。」
「え?オレ?」

トレイ先輩の言葉に私とケイト先輩で顔を見合わせて疑問符をうかべた。どういう意味だろ。ケイト先輩が私の名前を呼んでたから…とかかな。

「ケイトが、先輩らしい顔してたからさ。」
「えっ。」
「さっきも後ろからケイトの顔が見えた時、何時もより頼もしい顔してたから、あぁ隣にいるのはAかって思ったんだよ。」
「……。」
「もー!!トレイ君その話絶対Aちゃんのいる所でしちゃダメだよ!ほら見て!この顔!!」
「いやちょっと…嬉しくて…。」
「にやけすぎ!!!」

顔を覗き込もうとするとフードを深く被って「こっち見ないで!!」と言うので面白くてさらに笑ってしまう。
ケイト先輩は私がからかってると思ったかもしれないけど、本当に嬉しかった。それを改めて伝えようとしても、今は「面白がってるでしょ。」と取り合ってくれなかった。


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あ お 子。(プロフ) - ヲヲクさん» ありがとうございます!ゆっくりになってしまいますが、面白いと言っていただけるようこれからも頑張ります…!続編もよろしくお願いします! (2020年8月2日 9時) (レス) id: e194d3533b (このIDを非表示/違反報告)
ヲヲク(プロフ) - 凄く面白いです!頑張ってください! (2020年8月1日 21時) (レス) id: 9efd66ac59 (このIDを非表示/違反報告)
あ お 子。(プロフ) - 鹿野ユズナさん» 本当ですね。すぐに修正しておきます。ご指摘ありがとうございました。 (2020年7月18日 5時) (レス) id: e194d3533b (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - 最後の自己紹介、ディアになってますよ。クロウリーですよね? (2020年7月18日 2時) (レス) id: 6c05b173a1 (このIDを非表示/違反報告)
あ お 子。(プロフ) - うささん» ありがとうございます!更新速度上げられるように頑張ります…!! (2020年7月4日 19時) (レス) id: e194d3533b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あお子。 | 作成日時:2020年3月31日 22時

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