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桃side
「Aー!」
Aが入院して3日目、朝イチでおとんと病院に来た。
大部屋やのに俺がおっきい声出したもんやから、おとんには怒られたし、朝の診察をしてた重岡先生にはシスコンやなって笑われたけど、そんなん気にせえへん。
だって、2日会われへんかっただけで寂しかったんやもん。
「先生、Aまだ体調悪い?」
赤「んー、せやなぁ。昨日もMRIの後戻しちゃったんよ。」
MRIって、あのトンネルみたいなん入るやつやろ?
A、前あれ嫌いって言ってたもんな。
ベッドを覗いたら、相変わらず顔色は悪くて、反応も良くなかった。
今日も検査するんやって。
脳波を調べるやつ。
ちょうどその電極みたいなんを貼り付けてた。
そこから検査が始まって、1時間くらいかな…
おとんも先生に呼ばれて出てったし、Aも寝てるし、ベッド際のイスで雑誌を読んでた時。
めっちゃ静かやったから気づかんかったんやけど、ふとAの方見たら、目が俺と反対の方向いてて。
あっ、発作やって、すぐに気づいた。
そこからはもう一瞬。
ナースコール押して先生呼んでる間に、Aの体がガクガク痙攣し始めて。
Aには珍しく、涎もいっぱい出てて。
慣れてるはずやけど、怖かった。
赤「望くん、ありがとうな。すぐ気づけてよかった。ちょっと苦しそうやし酸素つけるわな。」
俺はベッドから落ちんようにするくらいしかできひんかったけど、重岡先生からお礼言われて、ちょっとほっとした。
俺もAを助けられたんかなって。
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みー(プロフ) - 初めて読ませていただきました。更新をするのを楽しみに待っています。お体に気をつけて頑張って下さい。 (2020年5月29日 1時) (レス) id: 4b53f5dd0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆら、 | 作成日時:2020年5月27日 14時