次の戦場へ ページ22
. ryo
彼女がキッチンに向かった後、俺は片手で顔半分を覆い項垂れる。
担当から外れるとかそういうんがなかったんは不幸中の幸いかもしらんけど
あんな風に言われてもうたら、もうなんも言われへんやん.....
ホンマ、アホや俺.....
自分のアホさ加減に腹が立つわ...
「先生。」
背後から近づいてきた気配もなく急に名前を呼ばれたから俺は慌てて後ろを振り向いた。
「えっ、あ？何？」
「再来週の土曜日、空いてますか？」
「えっ....、再来週の土曜？別に、空いとるけど。何かあんのん？」
俺は椅子ごとくるりと体を回し山田さんを見上げると、彼女は自分のバッグから細長い茶封筒を出してきた。
「うちの出版社、今年で創立60周年なんです。
それでパーティやるみたいで、会社の方から先生にも出席して欲しい、と。」
「...あぁ...そうなん。」
一瞬でも彼女からなんか誘われるんとちゃうかとか思っていた俺はホンマに単細胞なんやろうか。
恥ずかしさを紛らわすように渡された封筒の中身を取り出す。
"関英社 60周年記念パーティのご案内"
中身は彼女が言うた通りの文書。
パーティとかそういう知らん人がたくさん集まる類のは苦手や。
俺、社交性ないし。
他の作家もくるんやろうけど、別にキョーミないし。
「どうします？空いてるなら是非いらして欲しいですけど。」
「....山田さんは？」
「はい？」
「山田さんは行くん？」
「はぁ、まぁ、一応。」
「...ほな行くわ。」
彼女は少し変な顔をしたけれど、
そうですか、では詳細はそれに書いてありますので。
と文書を指差した。
そしてふと俺の頭をよぎる。
ムラカミさん、いるんとちゃう？
俺は未だにムラカミさんについて知ってることはやっぱり猫とサッカーが好きやということと、
彼女がおるのに他の女性の自分への好意に漬け込んで浮気するような最低な男やということだけで、
仕事場が同じかどうかは知らん。
けどもしいるんやとしたら___
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ココナッツ(プロフ) - たむこさんっ…編集社と作家、文学作品に村上春樹、錦戸亮に村上信五…私のツボのオンパレード過ぎてこれはもうドキドキしかありませんっ続きを楽しみにしてます！ (2018年2月7日 2時) (
レス) id: d0c3580366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむこ | 作成日時：2018年2月5日 9時
