泥酔 ページ47
. tadayoshi
「ほんまに1人で大丈夫なん？時間あるし送るで？」
「だいじょーぶ、やて。
お前は俺のお母ちゃんかぁ！」
ああ、俺べろんべろんに酔うてんねや。
俺の顔を心配そうに覗き込むヤス。
久々にこんな酔うてるかもしらん。
なんでこんななるまで酒飲んだんやっけ？
朦朧とする頭の中で思い出そうとするけど、よう思い出されへん。
「ええから、はよ彼女んとこ行きー。
俺はタクシーで帰るからぁ。」
ヤスにひらひら手を振るとちょうどやってきたタクシーに手をあげる。
「あ、ちょ、待って！」
タクシーに乗る寸前にヤスが走ってこっちまで来た。
なんか小動物みたいで、酔っぱらいの俺は必要以上にわろてしまう。
「大倉、自分の気持ちに素直になりや。」
ヤスは馬鹿真面目な顔でそう言ってから、眉毛をハの字にして笑って、ほなな、とタクシーのドアを閉めた。
...なんの話してたんやっけ？
自分の気持ちに素直になり、て、なんの事？
「ここのマンションまで。」
まあ、ええわ。
いくら今思い出そうとしたって無理に決まっとるし酔いが覚めるの待つしかない。
タクシーの運転手にスマホで住所を見せて、車が動き出す。
家につくまで少し寝よかな。
そう思ったら自然とまぶたが落ちてきて、視界がシャットアウトされた。
.
次に目を覚ました時は、もうだいぶ見慣れた景色の中におった。
高層マンションとビルの間の細い道をタクシーはとろとろと走ってて、
寝ぼけ眼で窓の外に目をやると少し先にコンビニの看板が見えた。
あ、
あのコンビニや。
そう思ったら急に目が覚めて、俺の目はひとりでにコンビニの中を凝視しようとしてた。
車で通り過ぎようとした時、
レジの中におる山田Aが見えた。
心臓がドクンと脈をうつ。
「すいません。
ここで降ろして下さい。」
ほんまに、無意識にそんな事を言うてた。
妙に頭が冴えとって、何かに操られるみたいに手際よく財布から金を出し、タクシーのドアを開ける。
バタン、と勢いよくタクシーのドアを閉めて、ゆっくりと来た道を戻った。
再びコンビニの前に着いて、恐る恐る中を伺う。
やっぱり山田Aはレジの中におって、1ヶ月前と何も変わらへん風貌をしてる。
けど、
俺の目には初めて会った時とは違うように映って見えた。
.
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にっきどLOVE - この話面白いです！！ 更新楽しみにしています！ 頑張ってください！！ (2017年7月21日 21時) (
レス) id: 7800028468 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 面白いです。更新、楽しみにしてます (2017年4月17日 23時) (レス) id: 547fbdc7c8 (このIDを非表示/違反報告)
わい - はじめまして(^o^)！！楽しく読ませてもらいました！続きが気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます♪ (2017年2月17日 1時) (レス) id: 397f5c791b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむこ | 作成日時：2017年2月6日 23時
