唐揚げ弁当 ページ46
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スーパーで一番安いものをみつけるのはもう私の特技の一つでもある。
でももちろん野菜とかは安かろう悪かろうってこともあるから、野菜の良し悪しを見分けるのも特技。
このきゅうりは一本68円だけど棘が少なくて色が薄い。
よって美味しくなさそうなのであきらめよ。
と、きゅうりをかごに戻してカートを引く。
手元の買い物メモと棚を交互に見ながらお惣菜コーナーを通り過ぎようとした時、
前から来る人と目があった。
『えっ。』
デジャヴ？
と思うくらいまた綺麗に声がはもってお互い驚き笑いを浮かべる。
たったこの間薬局でお財布を拾ったばっかりの黒縁メガネのお兄さんだった。
「いやーよう会いますね僕ら。」
お兄さんは唐揚げ弁当を片手に私を見て楽しそうに笑った。
「ほんとですねえ。今日はお仕事帰りですか？」
「あーはい。そちらさんも？」
「私はこれからなんです。夜勤なんで。」
「えっ、そうなんや。
あ、そういや今日夕飯あの弁当屋で買おうと思ったんすけどやってなくて。」
あ、だから唐揚げ弁当か。
と心の中で納得する。
「今日店長風邪ひいてお休みだったんですよ。せっかく来てくださったのにすみません。」
「いやいや、それでお休みやったんはしゃーない。
夜勤は別の仕事？」
「コンビニでやってて。」
「そらまた大変やなぁ。」
大倉さんのイメージからか、関西弁ってどこかキツイイメージがあったけど、
この人の関西弁はまた違う雰囲気を持ってる。
語尾が柔らかくて優しい関西弁だなって思った。
「すみません、引き止めちゃって。」
「いや、全然！あ、俺、横山いいます。」
そう言うその目は何か少し私を探るように見えたけど、気のせいか。
「山田です。」
お互いぺこりと頭を下げあって笑う。
横山さんは落ち着いてる大人のように見えるけど笑うと少し幼くも見えた。
「ほな、また。」
「はい。また。」
もう一度会釈をして、私は視線を買い物メモに戻す。
あ、なんだ。
もう必要なもの全部カゴに入れてたんだ。
となればお会計、お会計。
カートを滑らせてレジに向かう。
この時間はスーパーの中はそんなに混んでなくて、暇そうにレジ前に立ってたおばちゃんが私に気づくと、
すぐに業務スマイルを浮かべた。
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にっきどLOVE - この話面白いです！！ 更新楽しみにしています！ 頑張ってください！！ (2017年7月21日 21時) (
レス) id: 7800028468 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 面白いです。更新、楽しみにしてます (2017年4月17日 23時) (レス) id: 547fbdc7c8 (このIDを非表示/違反報告)
わい - はじめまして(^o^)！！楽しく読ませてもらいました！続きが気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます♪ (2017年2月17日 1時) (レス) id: 397f5c791b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむこ | 作成日時：2017年2月6日 23時
