ボロアパート ページ37
. tadayoshi
救世主のように手帳から出てきた電気代の領収書のおかげでなんとか山田Aの家の住所がわかって運転手のおっさんに伝えてから約30分。
ここらへんなんや...。
外は街灯の明かりしかなくて、マンションに挟まれた細い道をタクシーは縫っていった。
「着きましたよー。」
運転手の声がして窓の外を見ると、新しそうなマンションとマンションの間にドラマとか漫画に出てきそうな古くて小さい木造のアパートがあった。
風呂がないって聞いたからどんなボロアパートやって思っとったけど、
想像以上のボロさ。
「家、ついたで。」
死んだように寝てる山田Aの肩を叩くけど、やっぱりぴくりとも動かへん。
「なあ。」
肩をもう一回ポンポン叩くけど、効果なし。
えー、ほんましんどいねんけど。どないすればええの？
大声で叩き起こす？
それもなんか気が引ける。
静かに寝とる顔には疲れが見えて、睡眠不足やって見てわかる。
はぁ、とため息をついて、とりあえずおっさんにお金だけ払って外に出ると、反対側のドアを開けて寝てる山田Aの体をそーっと起こした。
「カバン、また開けんで。」
山田Aをおぶって、ハンドバッグから手探りに鍵を探す。
ほんまにこういうアパートってあんねや...。
鍵を片手に近づけば近づくほどボロさが目に見えて、関心すらしてしまう。
さっきの領収書に書いてあった102号室に鍵をさすとガチャリ、と鍵が回る音がして少し安心する。
ドアを開けても真っ暗でなんも見えへんし、手は鍵とバッグと山田Aで塞がっとるし、仕方ないから暗いまま靴を脱いで床にバッグと鍵を置いた。
かすかに畳の香りがする。
古さからいくと部屋、畳なんや。
懐かしい匂いを感じながら、ポケットからスマホを出して懐中電灯のボタンを押すと足元がパッと明るくなった。
光を照らしながら山田Aの靴を脱がせて玄関にほっぽると、携帯の光が部屋を照らし出した。
そこに広がってたのは思ってたのよりずっと小さい部屋やった。
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にっきどLOVE - この話面白いです！！ 更新楽しみにしています！ 頑張ってください！！ (2017年7月21日 21時) (
レス) id: 7800028468 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 面白いです。更新、楽しみにしてます (2017年4月17日 23時) (レス) id: 547fbdc7c8 (このIDを非表示/違反報告)
わい - はじめまして(^o^)！！楽しく読ませてもらいました！続きが気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます♪ (2017年2月17日 1時) (レス) id: 397f5c791b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむこ | 作成日時：2017年2月6日 23時
