思わぬ再来 ページ14
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「いらっしゃいま...せ...。」
入ってきたお客さんを見て思わず固まってしまった。
パーカーのフードをかぶってるけど、間違いない。大倉さんだ。
もしかして、また来たってことは情報が流出してて訴えにきたとか？
緊張で心臓がドキドキする。
でも、お店に入ってきた大倉さんはちらっと私のほうを見ると、そのままお酒コーナーへと向かっていった。
なんだ...ただ買いにきただけか...。
ほっとして聞こえないくらいの小さいため息をつく。
気づかれないようにガラスのショーケースの前に立つ大倉さんを見てると、振り返ってこっちに来たから慌てて視線をそらす。
「今日は年確せんといてね。」
ゴト、という音ともにチューハイがカウンターに置かれた。
「...すみません。」
冗談なのか、嫌味なのか、はたまた嫌味な冗談なのか。
小さい声でそう言って俯きながらチューハイをレジに打ち込む。
「今の笑うとこやんか〜。」
顔をあげると拗ねた子供みたいな顔で大倉さんはこっちを見てた。
「あと、マルボロもちょーだい。」
「あ、はい。」
マルボロ、マルボロ。
タバコが入ったケースからマルボロを取り出す。
「なあ、テレビとか見いへんの？」
「え、あ、はい。うちにテレビないので...。」
「なるほどな。やから俺のこと知らんかったんやー。」
今日の大倉さんは機嫌がいいらしい。
顔の表情が柔らかいし、不穏なオーラもでてない。
前回とはまるで大違いだ。
でも、これくらいの年齢の男の人と話すのって得意じゃなくて、はやく買ってってくれないかなー、とソワソワしてる私。
「お会計が673円になります。」
「カードで。」
大倉さんは黒いお財布から金色のカードを出してきた。
「なあ。山田さん、LINEやっとる？」
一瞬、なんでこの人私の名前知ってるんだ、ってびっくりしたけど、
そうだった。
この間メモにも書いたし、ていうか名札もつけてるし。
「LINE？ガラケーなんでやってないです...。」
なんでそんなこと聞くんだろう。
はっ！まさか！
「個人情報ならもう教えませんよ！あの電話番号は本当にちゃんとした番号ですから！」
急に大きな声をだした私に一瞬ポカンとした後、あっはっはっと笑い出す大倉さん。
あ。笑った。
この人、こんな風に笑うんだ...。
無邪気な笑い方をする大倉さんをつい凝視してしまう。
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にっきどLOVE - この話面白いです！！ 更新楽しみにしています！ 頑張ってください！！ (2017年7月21日 21時) (
レス) id: 7800028468 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 面白いです。更新、楽しみにしてます (2017年4月17日 23時) (レス) id: 547fbdc7c8 (このIDを非表示/違反報告)
わい - はじめまして(^o^)！！楽しく読ませてもらいました！続きが気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます♪ (2017年2月17日 1時) (レス) id: 397f5c791b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たむこ | 作成日時：2017年2月6日 23時
