No.10 ページ10
薄暗い部屋。テレビにはバーの映像が写し出されているだけ。そんな部屋に彼はAFOはいた。
「おや？君は少……いや中学生かな？」
彼の顔には目は無い。それなのに目を持っており自分の情報それらを全て分かっているように感じてしまう。
「そうですね。熱を関知出来る個性ですか」
「それよりも本題を話しましょう。僕は敵になりに来たとそう伝えました。何故って？この個性のせいでいじめられ差別された。この世界が生きにくい！僕にとってはヒーローなんかヒーローではないんです。僕にとってヒーローとはAFOあなただけです。だからここへ来た」
個性のせいでいじめられた。これは嘘ではないが事実ではない。今、嘘を着いたところで彼はAFOは気が付くだろう。心を読む個性がないと頭で理解していても心を読まれているように感じるそれほど彼は恐ろしい存在なんだと心に刻まれた。そんな彼の表情は部屋全体が暗く分からない。けれど彼は『面白い』それを欲して動く。
ならAという人物を面白いと感じているはずだ。そうだろう？眼中にもなかった相手が下手したら自分の全てを知ってる可能性を秘めたそんな人物だ。それに今のAではAFOを倒せない。
「そうか。君は可愛そうだ。僕がいる」
なら、そう来るだろう？
面白いを原動力にしているAFO貴方ならそう来てくれる。自分の強さに自信があるのならば。AFOの声は自分にA対して期待を抱いているのかどこか楽しげだ。これで内通者になれる。危ない橋を渡りきった。
そしてバーに戻ると死柄木に殺されそうになる。黒霧さんが止めてくれてるから生きてるけど本当に怖い。
多分死柄木はなんか、弟とか妹出来ると親が取られると感じるあれになってるのかと思う。確か今の死柄木って精神年齢5歳ぐらいだし。なら仕方がないね。こんな相手でも挨拶はしないといけない。
「僕はA。よろしく、死柄木弔君」
笑顔で話しかけると死柄木はイラつきながらも口を開く。
「俺はお前とよろしくするつもりはない。それで先生なんだよこいつ」
流石に知らないやつによろしくと言われたら困るよね。しかも先生も殺さなかったし今自分を殺すことできないしそうなるよね。もう殺意を隠そうとしない死柄木とは対照的にAFOこと先生は恐らく笑みを浮かべながらこちらを見ているだろう。
「弔。彼、Aは君の友達だ。僕からも頼む」
そう言葉にされても納得いかない死柄木は唸りながらも口を開く。
「先生も先生だ」
え？終わり？
「A。君はそろそろ帰る時間じゃないのかな？黒霧Aを家まで送ってあげなさい」
AFOの言葉で黒霧はゲートを開いた。
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作者名：細波 | 作成日時：2024年3月28日 22時
