No.9 ページ9
カランコロン
扉を開けると扉に着いている鉄棒が弾かれ音を鳴らす。その扉の先には
それらを確認し足を一歩踏み出す。その瞬間警戒は一段階強くなる。目に見ては分からないが微かに殺意は先より強く膨れ上がっていた。そんな死柄木は気だるげに声を上げる。
「おい誰だ？黒霧、先生の知り合いか？」
その声にはうっすらと殺意が籠っていた。微かな殺意。その殺意は黒霧は顔を左右に振るその瞬間に大きく膨れ上がった。それは今Aという人物を敵と認識したということだ。そのタイミングでもう一歩死柄木へAFOの元へ近づき笑顔で言葉を放つ。
「僕はAです。
そう言葉を放つ自身は恐らく奇妙に感じるだろう。そんなのはお構いなしにそして更に一歩を踏み出すと死柄木は足を動かさない。何故かって？
「は？お前……何っ……」
知らない子供がいきなり敵になりに来たと言われたら殺意より得たいの知れない恐怖が勝つのが当たり前。普通の人間ならなおのこと。そして今死柄木が襲ってこないこのタイミングで目的は死柄木ではなくAFOだと簡潔に伝える。
「そのためにあなたの元へと来ました。AFO？」
この時空気がガラッと変わった。死柄木は崩壊させようと構えるがそんな緊張した空気を壊すように電子機器の中から一つの笑い声が聞こえた。
「んふふふふ。おや？僕へのお客さんだったのかな？」
落ち着いた声。そのはずなのに背筋は震え本能が逃げろと警告してくる。
「そう！僕はあなたにAFOみたく成りたくてこの場所へ来ました！」
身体中にある恐怖心を和らげ騙すように無理矢理微笑み演技じみた動きで会話を続ける。
「おい？先生？こいつ大丈夫なのか？」
現状を把握できてない黒霧と死柄木。死柄木の質問にAFOは答える。
「大丈夫さ。僕は負けない。僕が負けるとなるなら彼オールマイトだけだ」
説得力が違う。ここに来たのは失敗だったのかどうしてもそう考えてしまう。だが、ここでは主導権を自分が持っておかないとどうにもならない。少しでも良い立場に潜り込むそのために
「AFOあなたの個性で僕と話をしましょう」
自分はあなたAFOの情報を持っている。それに対して向こうは無知だ。それを利用する。
「おや？僕の個性までバレているとは。分かった僕の元へ持ってこよう」
そう言葉を放たれると口から黒い液が溢れてきた。それは臭く嗅覚がおかしくなりかけるそんな匂い。意識が混沌する中その液は口から体全体へと包み込みバーからAの姿を消した。
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作者名：細波 | 作成日時：2024年3月28日 22時
