No.7 ページ7
百々ちゃんとのお茶会も終わりお車で家まで送って頂いております。回りの視線が痛いです。そりゃこんな車あったら見るよね。自分も見てるよ絶対。
そして本命のブキ。リッター4K作成がほとんど終わっていた。後は自分でも完成できるところまで。さすがに美味しいところだけ貰う訳にも行かないから大切に保管するけど。
これでデク君が働きすぎで体調崩す可能性も減るし自分も頑張らないとな。お茶会のために高校までの範囲の復習とパイとかのお菓子を作ろう。確か百々ちゃんパイ好きだったと思うし。
お茶会の頻度は多くて月に2回ほどらしい。だからお菓子作りの練習する時間はたっぷりあるはず。家のシェフにお菓子作りの練習付き合って貰おう。
そして2週間が経った。最初は岩石だったパイもちゃんと甘くて美味しいアップルパイに成長し塩と砂糖を間違えなくなった頃にお茶会のお誘い。
お茶会前日に用意したアップルパイを持参しリッター4Kと共にあのお車へ乗った。
今でもこのお車は緊張する。周りの視線がめちゃくちゃ刺さるのだから。もう気にせず無心で鎮座していた。
広い庭に百々ちゃんとのメイドさん達がいて案内をしてくれる。前にお茶会したテラスに座り紅茶が振る舞われる。そうあのウバ。あのときに話した紅茶だ。紅茶を一口飲みリッター4Kとアップルパイを置いた。
「この前はありがとね。百々ちゃん」
「いえ。そんなことは。それとAさんそちらの箱は何の箱でしょうか？」
百々ちゃんはアップルパイを入れている箱を指す。
「これはアップルパイだよ。お口に会うと良いけど」
微笑みかけると少し百々ちゃんの視線がぐらついた。特に気にせずアップルパイを切り分けお皿に運ぶ。
「まあ！このアップルパイどこのお店のモノですの？」
百々ちゃんの声がワントーン上がる。美味しかったのだとわかると自分まで美味しく感じる。
「アップルパイは僕が作ったやつだよ。一応お口に合うくらいは美味しかった？」
「このアップルパイAさんが作ったのでしょうか？美味しくてもう一切れ頂けません？」
上品に尚且つ気がつけば無くなっていたアップルパイに驚きながらお皿にもう一切れ持っていった。
アップルパイを食べたらブキ製作とお喋りをし家に帰った。家に着けば失敗したアップルパイ21個を解凍し食べることを忘れていたAであった。
一方もう片方の目標である高校までの範囲の復習も同時進行で進めてはいたが全然分からなかったので百々ちゃんとのお茶会と言う名のお勉強会を度々開催していたAでもあった。
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作者名：細波 | 作成日時：2024年3月28日 22時
