No.5 ページ5
車に乗って1時間。百々ちゃんが目を輝かせながら好きな紅茶やお菓子を聞いてきます。少し緊張している様子も新鮮。っていや、元々は一般市民だし分からないです……。
「Aさんはどのようなお紅茶が好きなのですか？」
うん。来ました。答えられないんだ……。
紅茶なんて知らないの、ごめんね。けどお話しないと手伝って貰えないかもしれないし本気でデク君に作業丸投げはダメだ。思いきってはなそう。
「僕？僕はねウバって紅茶が好きかな？あの深みのある香りが良くて全て忘れられる。楽しいことも含めてね」
はい。お父さんの言ってたこと丸パクリです。深い香りってなに？そして百々ちゃんウバに興味津々になったよ。
「Aさん、私ウバに興味が出ましたわ。次のお茶会では用意いたしますわね」
まだ子供なのにお上品だし目を輝かせて話してくるこのギャップがたまらない。そして百々ちゃんは踏み込んだ話題を出した。
「Aさんは個性についてどう思いますか？私はAさんのような異業型を差別する動きや宗教もあります」
うん。人によってはキレる人いそうな話題。異業型という言葉だけでも暴言を吐く人まで居るからね。
「僕は個性についてはその人の『個性』である。ただそれだけでまとめられてるからね。差別に関しては自分より強いモノがあれば集団になって追い返そうとする。それは人間の習性だから仕方がない。だからどうしようもない。それが僕の見解」
なんかの本で乗ってた分をそのまま口にしてるだけだけど百々ちゃんは頷いて更に興味津々になりました。
一応デク君や他の子達には年相応の言葉遣いしてるけど裕福な家庭だしある程度マナーは持ち合わせてないと親の顔に泥を塗ることになるからここでは割と恥ずかしい思いをせずに素を出せそうと思った自分がバカでした。
お車が止まる。八百万さんの家に着いた。目の前には大きな策があり目を奪われる。そして何よりも敷地がでかい。だから色々創造して試し打ちとか出きるのか。
庭を進み着いた場所はテラス。凄いとしか言いようがないそんな場所。メイドや執事がお帰りなさいお嬢様しててビビりました。
「それでAさん！私思ったんです！」
はい。百々ちゃんの話は理解が難しい。面白いんだけどね？自分の頭は将来的に偏差値79の上を行くお嬢様の脳には勝てませんって。なんならもう中学の範囲理解してて高校の範囲も含めた会話してるし。
「百々ちゃん。できれば手伝ってほしいんだけど」
そう声をふり絞って話した。
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作者名：細波 | 作成日時：2024年3月28日 22時
