No.3 ページ3
デク君と約束をし家にまで来た。そして自分の個性を解析して欲しいのもあってインク少量をプレゼントする予定。なんか自分でも気持ち悪い気がしてる。
とりあえずブキを持ち帰る用の袋とオールマイトクッキーそれから例のブツを持参しチャイムを押した。
「はーい。どちら様ですか？」
「Aです！きょういずくくんとあそぶやくそくしてたので！」
「あっ！Aくん今開けるから待っててね」
うん。恥ずかしい。けど、小学生に上がればまだましになる。それまでの辛抱だ……。
「ごめんね、遅れちゃって、出久はリビングにいるから」
引子さんにお辞儀して中に入る。リビングの扉を開けば元気な声が聞こえてきた。
「Aくん！なにしてあそぶ！！？」
「いずくくんにてつだってほしいことがあるの！だからてつだってくれない？」
「いいよ！それでなにをてつだえばいいの？」
「ちょっと待ってね取り出すから」
持参してきた例のブツ。
それを袋の中から取り出した。
「これをねんどみたいにこねてつくるのをてつだってほしくて」
個性。その一言でデク君は目を輝かせる。袋から取り出した自分のインクを羨ましそうに眺める姿それがどこか切なく感じた。
「Aくんのこせい！うん！てつだう！」
「ありがとね。それとこれも渡しとかないと」
オールマイトクッキーを取り出す。お値段は1900円ほど。うん。十万よりは安い。金銭への感覚がもう少し狂ってはいるが将来的にはもっと狂いそう。だから一般的な生活も見ておかないと常識のない人間として社会的に死ぬ。
「オールマイトクッキー！いずくくんすきだよね！」
「うん！オールマイトクッキー！ありがとう！」
デク君はクッキーの箱を抱き締めて微笑みながらお礼を言われた。可愛い。これは決定事項だ。
ある程度作図は得意だったし完成図を作ってもってきていた。それをデク君に見せて二人でインクをブキの形状にしていく。デク君5才なのに手先がありえんほど器用なんやけど？自分の倍くらいで終わりそう……
「Aくん？これでだいじょうぶ？」
え？
終わった？え？
終わってる。は？
ちょっと待ってくれ。20分くらいでデク君に任せた部分ができていた。自分の効率速度が可笑しいのかデク君が可笑しいのか。とりあえずデク君に自分の分手伝って貰おう。
「だいじょうぶ！それとこれもできる？」
「うん！ぼくとくいだから！」
さすが未来のヒーローもう自分のヒーローだよ。
30分後にはスプラシューターが完成していた。
もうデク君に頼ろう。
そして帰るAなのであった。
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作者名：細波 | 作成日時：2024年3月28日 22時
