No.18 ページ18
今のところただのイカ。イカなだけのなんの変哲もないモブになるのは御免だ。ということで相澤先生の台詞を借りよう。
「そうかな？自然災害、大事故、身勝手な敵たち……いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽で溢れてる。そういう
皆が自分の言葉にハッとする。
「ああ。よくわかったな。Aの言った通り日本は理不尽にまみれてる。放課後マックで談笑したかったらお生憎。これから３年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける」
「
先生の話が終わる。爆豪といったクラスメイトは体を動かしてストレッチを始めた。皆先生の話には納得したようだ。
「さて、デモンストレーションは終わり。こっからが本番だ」
そして第5種目のソフトボール投げ。お茶子ちゃんが
「緑谷くんはこのままだとマズいぞ……？」
飯田君はそう呟く。
「ったりめーだ。無個性のザコだぞ！」
「無個性！？彼が入試時に何を成したのか知らんのか！？」
デク君は覚悟を決め一呼吸置いた。そして右腕に個性使用したはずだった。
ピピッ
「46m」
無慈悲にも相澤先生は結果を読み上げる。空気は針積めておりその時には誰もお喋りなんて止まっていた。
「な……今確かに使おうって……」
「"個性"を消した」
「つくづくあの入試は……合理性に欠くよ。おまえのような奴も入学できてしまう」
「消した……！あのゴーグル……そうか……！！」
「抹消ヒーローイレイザー・ヘッド！！！」
デク君の口からヒーロー名が出てくるが誰も詳しくは知らない。
「見たところ……"個性"を制御できないんだろ？また行動不能になって誰かに助けてもらうつもりだったか？」
「そっそんなつもりじゃ……！」
そう言葉を放つデク君には束縛布が辺りを漂い相澤先生の元へ引き寄せられた。
「とういうつもりでも、周りはそうせざるをえなくなるって話だ」
「昔暑苦しいヒーローが大災害から１人で１０００人以上を救い出す伝説を創った。同じ蛮勇でもおまえのは１人助けて木偶の坊になるだけ。緑谷出久おまえの"力"じゃヒーローにはなれないよ」
「"個性"は戻した……ソフトボール投げは2回だ。とっとと済ませな」
周りの皆はデク君を声には出していないが応援している。デク君が腕を降り下ろし指先にだけ個性を使用した。
「今！！」
ピピッ
「先生……！まだ……動けます」
「こいつ……！」
そう言葉を漏らす相澤先生はどこか笑みを浮かべているようにも感じた。
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作者名：細波 | 作成日時：2024年3月28日 22時
