個性『インクリング』で行く二人目の雄英内通者！ (ページ11)

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ゲートを潜った先は公園のトイレの中だった。AFOの個性の匂いもありトイレは悪臭で満たされる。そんな場所でAは笑みを溢していた。体からは汗のようにインクが漏れ出ており、それはAFOへの恐怖なのかAFOとの契約を結べた喜びなのかそれは誰も分からない。

トイレから出ると日は落ちかけていた。もう17時を告げる音楽が鳴る。それに気が付くと一目散に自宅へと走り去っていくA。

その時たまたま視線を向けていた電気屋のショーウィンドウに目があった。そこにあるテレビにとあるニュースが報道されていた。そのニュースを目にした時には体は固まりそのテレビに意識がいく。

「大量失血死事件」

その文字列を見れば分かる人もいるかもしれない。そうトガヒミコが起こした事件。このときにはもう起こっていた。体が動かなくなっていた時に17時を告げる音楽が鳴り響く。

時間に追われていた事を思い出したように走り出すA。呼吸も荒くなりながら自宅へと走り去っていった。

「A？遅かっ……は？」

お父さんの声が聞こえる。その声はどこか震えていた。自分の元へ足音が近付いてくる。すると体を支えられお母さんを呼ぶ声が聞こえてきた。けどもう体が震えて頭が痛くて立っているのもしんどい。

「貴方？どうかしまし……た？」

目も開けられなくなりお母さんの声を聞くと意識が切れた。

次の日。何故か昨日のゲートを潜った後の記憶がない。そして両親がめちゃくちゃお医者さんを呼んでいた。多分AFOとの対談による緊張で体調崩した&意識失ったんだと思う。

「A君？お口開けれる？」

これを3回しています。はい３人目ということ。一応大丈夫と伝えたけど心配だからとお医者さんを何人も呼んだそうだ。そしてまだ2人もいるらしい。

5人の医師に診察され薬を服用している今日この頃。バーへと足を運んでから2日が経ちプライベート用にとAFOから貰った携帯を確認していた。また明日来いとのこと。しんどい。ちゃんと行くと伝えたし行かないといけない。憂鬱になりながらも眠りにつくAだった。

そして前にゲートが繋がっていたトイレに向かっている。そしてトイレからバーへと向かった。

「やあ！遅かったじゃないかA君？」

体調不良の原因が意気揚々に話し掛けてくる。契約的にこれからも関わりは持つから体調を崩しまくりそうだし。やっぱヒーローしていた方が楽ではないのか考えてしまう。

死柄木とは相変わらず不仲だし先が思いやられるよ。とほほ……

そして明日も来いと言われ憂鬱さに拍車をかけられるAであった。