個性『インクリング』で行く二人目の雄英内通者！ (ページ1)

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「ねえ！Aくん！ぼくカブトムシつかまえたんだよ！」

とある森の中で二人の少年が虫取をしていた。8月中旬の暑い日に虫かごと虫取網を手に年相応に虫を捕りかっこいいと声を上げる少年がいた。

目の前には森。気がついたら森の中にいた。その時手にあった虫取網それを落としてしまう。普通の人間であれば気がついたら知らない場所そんなシチュエーションで驚かないわけがない。そうAも一人の人間なのだから。

「Aくん？大丈夫？」

そう声をかける少年。その少年にAは見覚えがあった。その少年の名前は緑谷出久(みどりやいずく)。とある作品の主人公だ。

その作品は『僕のヒーローアカデミア』。
個性と呼ばれる世界総人口の8割がもつそれを持たない無個性として生を受けた少年が最高のヒーローになるまでの物語。そんな主人公と何故遊んでいるのかそれだけで頭が痛くなる。

「Aくん？きょうはかえる？」

緑谷ことデクがそう心配そうに口を開いた。Aはこの状況に理解がて来ていない。帰るそういえば良かった。しかし口は「大丈夫」そう言葉にしていた。

苦手な虫を無心で刈り取っていく。少しづつ整理できてきた。

・まずこの世界はの元いた世界とは別の世界だということ。

・僕のヒーローアカデミアの世界だということ。

・Aは5才になっており個性を発現させていること。

・親の個性から特殊変異した個性『インクリング』だということ。

自身の体の記憶で大切な4つを整理できてきた。まとめると気がついたら死んで転生。いやこの場合は憑依？していたということ。

「ねえ！ぼくのカブトムシみて！おっきいでしょ！」

考えているとデク君がカブトムシに目を輝かせながら自慢してくる。一応義務教育は終わっており精神年齢は15を過ぎている。

自分よりも年下な子供にあわせるのも疲れるけれど声を１トーン上げ元気に声を出した。

「うん！すごくおおきくてすごい！ぼくうらやましいなぁ……」

少し羞恥心を感じつつ話を続けながら虫を捕まえては籠に入れることを繰り返していた。気温は32℃を越えていたのもあって汗だく……いやインクが分泌されており気持ち悪い。

大体1時間ほど虫を捕っていたこともあり下の方はモゾモゾと動くだけで気持ちが悪い。

「Aくん……ぼく、もうかえらないと……」

そう寂しそうに口にしていたデク君に手を振る。

「Aくんばいばい！またむしとりしよーね！」

デク君が帰ったのを確認してから虫を出して即帰った。