ただの部下、卒業します。＿Ryota.K

10 ページ10

＿＿ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ



『んん〜』





私は目覚ましの音で目が覚めた。
一人暮らしが長かったから、早起きは得意な方。





『よーし、今日もがんば…え？6時半？』





時計はピッタリ6時30分をさしていた。
始業時間は9時だから、遅くとも8時半には会社に着いておくのがマナーだ。

余裕かのように思えるこの時刻。
しかし私が会社にたどり着くには、2時間弱かかる。

つまり、もう手遅れである。





『あぁぁぁ、昨日入社式でゆっくりだったからアラーム遅くしてたの忘れてた！！
電車もう間に合わないじゃん！！』





私はベッドから飛び起きて、身支度をした。

化粧や髪に時間をかけられないとはいえど、かなりの癖毛のせいでこのままじゃ家を出られない。





『せめて始業時間には間に合いたい…！』





時計を見る暇もなく、とにかく動いて私は家を飛び出した。





『はぁ…はぁ…電車何時！？
えーと、え！？7時発！？』





バスに乗って、電車の時間を調べた。
現在の時刻は6時55分。もう無理だ、終わった。





『いや…ここまでよく頑張ったよ、うん。』





連絡先を聞いていないがために、遅刻の連絡もできない。きっとあの鬼課長がまた怒鳴るんだろーな…


いや、ちょっと待てよ?その次の電車は7時15分発。
駅から職場までバスを待たず、タクシーを使えば…





『行ける！！』

隣の乗客｢！？｣

『あ、すみません…』





いける！いけるぞ！
始業時間ギリギリには間に合うかもしれない！

バスよ、なるべく早く着いてくれ〜！

11→←9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す