33 ページ33
『なんか…お腹痛い?』
次の日、私は案の定お腹を壊した。
朝からトイレを行ったり来たりしている。
『気分悪いし、やっぱり薬飲んだ方がいいかな…』
??「吉田さん?どうしたの、気分悪い?」
『…はい?』
私が口を抑えて壁に寄りかかっていると、後ろから声をかけられた。
振り返ると、私より少し上くらいの男性が。
課長と同じくらい顔が整っているが、爽やかな課長とは反対に色気満載な顔立ち。
『え…と、どこかでお会いしましたっけ…?』
??「あぁ、申し遅れました。人事部の速水蓮です。
採用試験のとき電話をかけたんだけど…」
『あぁ!おばあさんの!』
速「おばあさん?」
『え?おばあさんから連絡があったんですよね?』
速水さんは、思い当たる節がないと言うように眉間にシワを寄せた。
速「あー…あれ、嘘です。」
『え!?ど、どういうことですか?』
速「実はちょうど私がお昼休憩にでてた時、救急車の音が聞こえて…」
『はぁ…』
速「人だかりの方に行くと、あなたがおばあさんを助けているところを見たというわけです。」
『じゃあ私が受かったのって…』
速「うん。私が社長におばあさんから連絡があったと、嘘をついたからですね。」
『そんなの反則じゃないですか!』
やっと会社にも慣れきたところだったのに…
私、このまま会社にいていいの?
速「そんなことないですよ。あなたの判断力と、的確かつ迅速な対応はきっと会社でも活きてる。」
『でも…』
速「それに、今さら自首されちゃったら嘘ついた私も危ないので…このことは内密にお願いします。」
『わかり…ました。』
速「ありがとう。」
『あの…』
速「ん?」
『嘘だったとはいえ、助けていただいたわけですから…お礼がしたいんですけど。』
速「それなら…食事に付き合ってくれない?」
『はい?』
速「さっきはあんなこと言ったけど、実際はこんな良い子がうちの会社にいてくれたら。と思って社長に掛け合ったんだよね。」
『なっ…!』
速「個人的に吉田さんのこと気になるし…週末とかどうかな?」
『予定は…ないですけど……』
速「じゃあ決まりだね。」
私たちは連絡先を交換して、食事の約束をした。
課長とは全然違って、紳士的。
なんか大事にされてる感じっていいな…
124人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りさ - 続編楽しみにしてます(*^-^*) (2020年11月17日 0時) (レス) id: fbc5b984b4 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - はい(*^-^*)分かりました(*^-^*) (2020年11月8日 1時) (レス) id: 87b8d1fdb4 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - りささん» ありがとうございます。2もよろしくお願いします! (2020年11月7日 23時) (レス) id: 34d49d678f (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - mさん» ありがとうございます!嫌な女感が伝わっているようで良かったです(笑) (2020年11月7日 23時) (レス) id: 34d49d678f (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き楽しみにしてます(*^-^*) (2020年11月5日 1時) (レス) id: e5bc4cbbcb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いくら | 作成日時:2020年10月16日 22時