特殊刑事課所属、唯乃勇者。2

【ALLIN】の ターン▼ ページ9

何かに足を思いっきり引っ掛けて誰かの腕の中に飛び込んだ。「スミマセン！」と、すぐに離れようとするも逆に抱き締められた。

ヤバいと感じているのに頭は抱き締めている相手が誰かを必死に考えている。何処かでかいだことのある匂い。しかも、知ってる……安心できる人。

顔を上げるとそこにはmonDさん。あ、犬ルリくんの匂いと似てたから安心したのに人違いやん。「間違えましたスミマセン、離して下さい」と押してもびくともしないmonDさんを押す。

「無駄だと思いますよ？」

背後からコチラを覗き込むようにして話しかけて来たのは無馬かなさん。「ウチのボス強いんですよね」ニマニマと、浮かべる笑顔には完全に私怨が混じってる。消される、次こそマジで消される。

意味不明こちハンの最中に存在を抹消される。心当たりは一つ。私がカジノに入ったらボロ勝ちして出てくる。だから、オーナーである無馬さんが怒らないハズがない。

「安心してよ。君には絶対にオールインなんてさせないから」

「私もしたくないです、コレ以上殺される原因作りたくないです。ごめんなさいカジノ出禁にしないで下さい」

出禁はしないよ。またなんて可哀想だし。そう言いながら銃を構える無馬さん。隣には白井満太さんとRBさんもいる。え、てか今更だけど何でカジノにいるの。もしかして、がみともさんドサクサ紛れに金のために私を売ったのか……！？

「コチラは君と公正な交渉がしたい」

交渉を断るのなら、どうなるかわかるよね？そう言って白井さんも銃をこちらに向ける。銃を突き付けられながらの交渉なんて絶対に公正な交渉にならないよ。というか、monDさんはいつまで離さないつもりなんだ。

「同意するなら君の安全は保障する。が、断れば……」

意味ありげな注射器を見せ付けてくるRBさん。ナニコレ拒否権無いやつだよ。あまりの怖さに涙が溢れそうになるのを必死にこらえる。

「内容は……交渉の内容は何ですか！」

勿体ぶって中々話してくれないALLINの面々に思い切って問いかける。銃口を頭に押し付けられて自分の死期を悟り始める。ああ、警察も案外楽しかった。私はここまでみたいだ。私が死んだら誰か泣いてくれるかな。でも、私のために泣いてくれる人なんて……。

「ウチ入る？」

「！？」

「あー、ボスもう言っちゃった。コレから面白くなるところなのに」

勧誘……勧誘なのかこれ。数分前の華やかな勧誘とは違う、というか違い過ぎる。


_______________

正直ALLINわからん

【NO LIMIT】の ターン？▼→←うさぎ？ の ターン▼

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す