特殊刑事課所属、唯乃勇者。2

つうこん の いちげき▼ ページ6

「外見えます？ちょっと体勢的に難しいですかね」

頑張ってぴょこぴょこ起き上がると視界にロスサントスの夜景が飛び込んでくる。真っ黒な世界に色とりどりの光が思い思いの装飾を施している。

「すご……綺麗」

「コレをアナタに見せたかっただけですよ、私は」

もっとも、アナタはよくヘリに乗っているのでもう見飽きた光景かもしれませんが。そう言ったウェスカーさんの表情は初めて見る優しい笑顔で。いつもは見えないサングラスの奥の瞳もこの距離なら透けて見える。

「ウェスカーさんって結構純粋な目してますよね」

「それは私を口説いてるんですか？」

「……じゃあそういうことでも良いです。その、貴重な経験をありがとうございました」

私の言葉に呼応するように漆黒の空に光の花が開いた。何だこの本格的過ぎる演出。こんなの。

「惚れない人いないでしょ」

『みんなナイスタイミング、A餡ブレラ入り確定でーす』

「ぅおーい！詐欺！！これはもうロマンス詐欺、はい詐欺罪切りますね」

「普段仕事してねェくせに！！」

「うるせぇ！知るか、私の感動返せよ！！」

どちらかと言うと妖精さんがお話してるような口調に崩れるウェスカーさんと言い合いをしていると、戦闘機にロケランが着弾した。

「マジかよ！助かったけど死ぬ！！」

ぎゃーぎゃー騒ぐ私の傍らで、低い声でロケラン撃った奴殺すを連呼しているウェスカーさん。怖いよ助けて、さっきまでの優しいウェスウェスを返してよ。

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