特殊刑事課所属、唯乃勇者。2

せいいき と さいむしゃ▼ ページ18

ふぎゃー！！と怒りをあらわにするジョーカー氏。何をしたからって機嫌が治るわけでもなさそうだったのでとりあえず隣に座る。

「患者はどこかしら！？」

そこへゆったりと腰をくねらせながら歩いてきたスキンヘッドのお姉さん。迫力まみれの見た目と口調にジョーカー氏の口から「バケモノ」がこぼれ落ちる。

「誰がバケモノよっ！ワタシはサンクチュアリ」

私達に背中を向けたまま暫く固まって、振り向きざまに「たえこよ」と自己紹介を完了させたサンクチュアリたえこさん。なんというか、ラスボス感がすごい。が、グラマラスなボディを見るに女性なのだろう。

「たえこ姫……お待ちしておりました。この地に臥せっているジョーカー氏の蘇生をお願いしたいのですが」

「あらアナタ勇者なのね、素敵じゃないの。任せなさい、このほうおうまで極めたパーフェクト僧侶たえこに掛かればこんなもの。……どうやるんだったかしら」

おっと、不安しか無いぞ。命田さんに電話をしようとスマホを取り出した時もう一人の救急隊員が入ってきた。

「俺の名前は、伊藤カテジ……債務者だっ！」

「債務者かよ」

「オイ、勇者。俺の近くに来てYの筋肉を押してくれ」

カテジさんの隣でYの筋肉を押すと勝手に私の身体が野球ボールを投げるモーションをはじめて続いてカテジさんがバットをスイングするモーション。何だこの人オモロイな。

「いい球だったぜ勇者ァ」

「カテジさんこそナイスバッティング」

よし帰るか。みたいな雰囲気のまま外に出ようとしたら「オイお前ら待てー！！」とジョーカー氏が叫ぶ。なんだよ、こっちはGoodGame後のチルタイムに入ろうとしてんのに。

「何だポーちゃんまだ治してなかったのか」

「ワタシったら治し方忘れちゃったのよね。ホント罪な女ね」

「ホントになぁ！？」

ジョーカー氏の怒りが限界値スレスレまで到達している。そうか、私の仕事はメンケアだったと自己反省。

「任せろポーちゃん、俺がやってやる」

スッと牢屋に入ったカテジさんの身体が半分床に沈む。錯覚かと思ったがみるみるうちに吸い込まれ消えてしまった。

「アラ土に還っちゃったわ」

「何だこの救急隊員共」

『命田隊長ですか？お宅の救急隊員1名が牢屋にて土に還りました』


________________________________________

続かないよ。
サンクチュアリたえこは一度は見とくべき名物住民。
カテジとの絡みが好き。

けいかく▼→←めんけあ▼

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す