【MOZU】の ターン▼ ページ11
警察署内だけでは危険だから一旦牢屋に隠れるか。一目散に地下へ走り込むと見覚えのある白髪。
「あっれー、ヴァンさんぼっちですか?」
「お前ナメとんのか」
「いや。驚いて思わず……お隣おじゃまします」
ヴァンさんが座っている隣で足を広げて座る。何でこっちにくるの。と言われて、広い方が好きなんですと嘯く。本当は一人だと帰ってきた警察になんかされそうだからヴァンさんに擦り付けやすいとこに位置どっただけだ。
「お約束だから聞いとくけどウチ来る気ある?」
「無いですね。前にも言いましたが良い上司に囲まれてるので今は警察署を出る気無いです」
「だと思った。じゃあ……私が一人の男としてキミに付き合ってくれと言ったらどうする?」
何でも無いことのように軽々と言ってのけたヴァンダーマー。普通に喋ってもイイ声なんてズルい。茶化したいけど真剣に返さないと怒られそうなので本心を口にする。
「ヴァンさん優しいから本気で誰かと付き合う時はギャングやめるでしょ?」
「……そうなるだろうね」
「私はギャングをしているMOZUのヴァンダーマーが好きなので、自分の手で大好きなMOZUのヴァンさんを殺したく無いです」
「そう、か。じゃあただの警察とただのギャングのままでいようか。
……本当ならもっと真剣に追いかけて欲しいけど」
「残念でしたー、特殊刑事課は何もしないのが100点なんですー」
「めちゃくちゃだな。まぁ、キミらしいが」
遠くで爆発音が轟く。長年のクセなんだろう、すぐに私を背後に隠して立ちはだかるヴァンさん。その大きな背中はとても安心する。さすが長い歴史を持つギャングのボス、何も言わなくても人の心を落ち着かせるだけのオーラを持っている。
「警察署襲撃ですかね」
「にしては音が近い。何事だ」
爆発音の原因は、扉を蹴って牢屋の前に躍り出た。パステルカラーのアロハシャツが視界に入った瞬間に諦めてヴァンさんの背中にしがみついた。
「ほら君の上司じゃないか」
「イヤです」
「イヤとは何だイヤとは!A!キャップとヴァンダーマー、どっちを選ぶんだ!?」
「ヴァンさん。てか、何でツボがその二人を差し出してるの!?」
「お前がオレのファンってことは既出の情報だからな。デートしてやっても良いが、それよりヴァンダーマーでいいんだな!?」とダメ押しをしてくるツボに疑問を抱きつつも頷く。
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宇治銀時(プロフ) - あん0812さん» ありがとうございます!書きたかった場面とかはまだ沢山あったので、後々お見せすることが出来ればとは思っています。完結した後も感想をいただけて本当に嬉しいです!ありがとうございます!! (12月14日 22時) (レス) id: 7eec906a71 (このIDを非表示/違反報告)
あん0812(プロフ) - 一言だけ言わせてほしいです…だいすきです… (12月14日 21時) (レス) @page27 id: dfda058af0 (このIDを非表示/違反報告)
宇治銀時(プロフ) - 月宮 ハクさん» コメありがとうございます!ありがとうございます。とりあえずシリーズとしては終了というだけで、そう遠くない未来に戻って来ると思います。それまで端と言わずド真ん中(って、ドコや?)でお待ち下さい。 (12月11日 15時) (レス) id: 7eec906a71 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 ハク(プロフ) - 初コメ失礼します。いつまでも、いつまでも待ち続ける覚悟はできています。ただそっと隣人が如く何も言わずにそっと端っこの方で座って待っています。(何言ってるか分からなくなっちゃいました。すみません。) (12月11日 14時) (レス) @page27 id: 83264834b5 (このIDを非表示/違反報告)
カルミア(プロフ) - 宇治銀時さん» ありがとうございます!!ウィル大好きなのでまじでこのお話もめっちゃニコニコで読んでました!本当もう最高です…!ありがとうございます!! (12月9日 10時) (レス) @page16 id: 783799f132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宇治銀時 | 作成日時:2023年12月8日 18時