【ツイステ】冤罪は頭脳と少しの暴力で証明する【進○○○○】 (ページ24)

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23.正当防衛ページ24

セベク目線

【事件が起きてから更に1週間後】

最近あいつは食堂に来ていない

廊下でたまにすれ違っても

少し疲れた顔をして僕に気付かない

あと見るのは部屋で寝ているところぐらいだ

いつも朝起きると居なくなっている

同じ寮なのに

代わりに変な噂を聞くようにもなった

「聞いたかよあのAってやつ」

「あぁ、あの監督生の鞄に

大量のカッターの刃入れてたって？」

「そそ、やべーよなw」

「女ってこぇーw」

噂は多分若様の耳にも入っているだろう

本当ならあいつは若様の顔に泥を塗った

本当なら。

授業終わりの鐘が鳴った

次の授業の準備をして

若様の所に行こう

「おい…前が…」

扉が閉まっている部屋から少し男の声が聞こえる

『…何の…ですか？』

ん、A…？

僕は思わず立ち止まる

耳を澄ませて聞いてしまった

「お前だろ？カッターの刃入れたっての」

さっき聞いた噂話のことか

『…なんでそう思うんですか？

と言うかなんで私のことをご存知で？』

「そりゃああの監督生泣いてたしなぁ？

それにお前の事を知らねぇ

生徒なんてほとんど居ねぇよ

勿論悪い意味でなw」

男達の笑い声が聞こえる

複数人で取り囲んでいるのか？

Aの声は聞こえない

「おいおいwそんなに睨まないでくれよ

実は俺達君に興味があるんだよねぇ

ほら、監督生より結構良い顔と体してんじゃん？」

「なぁ俺らの相手してくれよ

男ばっかでつまんなかったんだ」

それでもAの声は聞こえない

「俺らの相手してくれたら

アンタの事助けてやるよ

なぁ、お互い良い関係になると思わね？」

なんで何も言い返さないんだ

なんで

咄嗟に僕は扉を開けようと

『1つ質問をよろしいでしょうか』

「は？」

『性的暴行に対する暴力は正当防衛ですか？』

「物騒な事言うじゃねぇか

そんな楊枝みたいな身体で何が出うグｯ…」

なっ…

少し開けた扉の隙間から

「おいてめぇ！何して…ガッ……」

4人組のサバナクロー寮生を

1人で…

「A！！」

僕は無意識に扉を開けていた

『…あれ、久しぶりだね

セベク君が私の名前呼ぶなんて珍しい』

Aは笑わなかった

サバナクロー寮生がAに胸ぐらを掴まれたまま

ぐったりとしている

『…か弱い乙女相手にへばって

私の顔につば付けて

モテませんよ先輩』

僕まで殺される気がした