【d!】おいしくたべれる賞味期限。【zm】

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zm「ひとらん、トントン」


寝てしまったAを抱っこしたまんま

トントンとひとらんが営業しとる肉屋兼八百屋に足を踏み入れると

ひとらんがぴょこっと店の奥から出てくる


ht「いらっしゃい」

gr「おお、ゾムか」

zm「あれ？グルッペン居るやん。トントンは？」

ht「今日は居ないよ。」

zm「ふーん」


とりあえず、俺もたべれるような野菜を見て回るか、

なんもAのことに触れてないことから考えてあの位置からやとAは見えてへんのか...

なんて、寝てるAの頬を優しく撫でながら思う

...ほっぺ、ふにふにしとるな...


ht「今日は何しに来たの？買い物？」

zm「せや、買い物」

gr「ゾムが買い物なんか珍しいじゃないか」

zm「ちょっと色々あってな」

ht「色々、ねぇ？」


思っとったより近くから声が聞こえて急いでそっちを向く

そこには少し小難しそうな顔をしたひとらんが立っとった

目線は...A。


zm「...言いたいことあるんなら言ってええで。」

ht「...」

zm「はっきり言ってくれた方が俺も楽やし」


何を言われるんやろか

人を喰う俺にコイツを賞味期限まで育てるのは無理とかやろか

...俺かて人喰いの俺に子育てなんて無理や言うことは知っとるし...


ht「どこの子？」

zm「はぇ？」

ht「どこの子供？」


あまりにも普通の事すぎて拍子抜けしてしもた...

いや、まぁ、気になるのはわかるねんけど...


zm「どこの子どもかは知らへんけど、Aって子やで」

gr「なんや？子供を連れてるのか？」


スッと伸びてきたグルッペンの腕に思わず一歩後ろに下がる

取られるかもしれへん、俺の、Aが


gr「...触られたくないのか」

zm「す、すまん、急に手ぇ伸ばしたから、俺から取るんかと思ってん、」

ht「で、結局なんでこの子はゾムの元にいるの？流石に隠し子とかじゃないだろうし」

zm「...喰べた」

gr「食べた？」

zm「喰べた家族の、子ども、や」


自分の声とは思えないほどか弱い声でそう告げる

...何回言っても人を喰べたって言うのは慣れへんな、

...いや、慣れてしまったら、それこそ俺はもうニンゲンじゃなくなるな

せめてもの罪悪感は背負っとかんと...


ht「でも珍しいね？ゾムが襲った一家の人を生かしてるなんて」

gr「なんかあったのか？」


不思議そうに見つめてくる2人になんて返せばいいかわからない


zm「わからへん、」


なんで生かしとるかなんて、

わからへんのや

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