【d!】おいしくたべれる賞味期限。【zm】

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巻かれた包帯を不思議そうにペタペタ触りながら確かめるA。

すごいかわええ。

包帯とかって、やっぱり一回も使ったことなかったんやろか

まぁ、この年の子が包帯使うことってほとんどないもんな

それより、さっきコイツは心の中は見えないって否定しとったけど、

明らかに可笑しい間が空いとったし、見えとるってことで間違えないよな

それやったら、さっきも考えとったけど、コイツだけ殺されへんやった理由がわかるしな


zm「さ、ひとらんのとこ行こか」

『ん？うん！』


しゃがんで腕を広げてやると抱きついてくるAに苦笑いする

コイツは警戒心ってのがないんやろか、

知らへんヤツにもう懐いて...

しかもソイツは自分の親を喰い荒らしたヤツっちゅうのに...

なんて思いながら抱っこをして道を歩き出す


『ぞむは、いいひとだから、』

zm「...そうか、オマエ見えるんやったな」

『みえないの、！』

zm「そーか、そーか」


別に、俺は心の中が見えるとか教えてもらってもそれで金稼ごうなんて思わへんし、

それがあるからどうとかって差別せぇへんのやけどな

...そもそも俺は金いらへんし。


『ぞむは、なんでおかねいらないの？』

zm「んお？...あー...金を使わへんから...か？」

『なんでおかね、つかわない？』

zm「なんでって...」


そりゃ、俺は人襲って喰べるだけで腹いっぱいになるし、

怪我しても放っとるから自然治癒で金かからへんし...


『やっぱり、ぞむはきれいなひとだね』


腕の中から可愛らしい笑い声と声が聞こえてきてパッとAを見る


zm「っ...」


俺の腕の中にはニコニコと笑うAが居った

ニコニコと、笑っている。

本当に、心底楽しそうに、嬉しそうにニコニコと

体が強張る


なんでや、なんやこれ、なんで怖いん？

時々Aの笑顔の裏に垣間見える狂気が怖い

でも、なんで？


『ぞむ。ひとらんさんのところいかないの？』


俺の耳にそんな声が聞こえてふと我に帰る

俺、今、何考えとった、？

腕の中を見ると出会った時と変わらへん可愛らしい顔をしとるAと目があった

...こんなかわええ奴から狂気が垣間見えたとか可笑しいやろ俺。

なんかの間違えや。

...多分


『ぞむ？』

zm「ん、あ？すまんすまんちょっと考え事しとったんや」


優しく頭を撫でると可愛らしく笑うA

やっぱり、コイツに狂気なんて感じへんわ。

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