【d!】思い出ごと飼いましょう

▽ ページ24

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『ちょっ...と待って、？堕天使、？え、？』

tn「...人外って言うたら、わかってくれるか？俺、人間やないんや」


悲しそうな顔をするトントンに胸が締め付けられる

見た目はいつも通りのトントンじゃないのに、

どうしてそんな所はいつも通りの優しい困った顔したトントンなのかなぁ、


tn「...ほんまは、なんも言わんで帰ろうとしたんや、」


ぽつり、トントンがそんな言葉をこぼす


tn「でも....でもっ、お前が、屋根から落ちてっ...助けへんとってっ...」


ゆらゆら、

トントンの瞳が揺らいで、

嗚咽が聞こえてくる、

私の体にトントンの嗚咽が染み込む


tn「...人間に情なんか持つんやなかったっ...」


ぽたぽた、

トントンから溢れた大粒の涙が私に降ってくる

何が怖いのかわからないけど震える腕を無理矢理使ってトントンの頭を撫でる

うまく言葉にできないけど、

大丈夫だから、そんな思いを込めて、優しく、撫でる、


tn「...っばか、やめろっ...」

『やだよ、』

tn「離れたくなくなるやろっ...」

『離れるのもやだよ』

tn「は、？いや、おま...言ってる、意味、わかっとるっ、？」


私が言った言葉の意味なんて私が一番わかってる

人外に 離れるのが嫌 って言うのは連れ去ってって言う意味

私も知ってる


tn「でもっ...人間と、人外が敵対しとるのは、知っとるやろっ、？俺を、庇ったら、バレた時、」

『...誰も居ない所まで逃げよう！私も、トントンも、自由に翅を伸ばせるようなところに』

(バサっ)


ふわりと私の背中から翅が生え、トントンの腕から浮き上がる

私に生えたのは真っ黒に染まった天使の翅


tn「え、？」

『私も、堕天使だよ？...と言うか、翅はもう悪魔並みに黒くなっちゃってるけど、』


えへへ、なんて笑うと

トントンに抱きつかれる、

勿論、空中で、


『わわっ、危ないよ、』

tn「グスッ...」

『どうしたの、トントン、』

tn「俺らっ、まだ、一緒に、居れるっ、？」


ひどく、

縋り付くような、

そんな声でそんなことを言われる、


『翅が黒く染まりきって故郷の人に嫌われて故郷に帰れなくても、ずっと一緒にいれるよ。だって、同じ人外なんだから』


白翅の堕天使と黒翅の堕天使は

神様でさえ撃ち落せないような場所に逃げます。

2人で、自由に暮らすために


『早く行かなきゃ人間が来ちゃうよ？』

tn「あ、せやなっ、」


慌てて私の手を握ったトントンの手を

私は、強く、強く、離れないように握り締めた、

※ もう離れられへんな / sn→←一緒に天獄へ / tn

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