15年 (ページ9)

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アホやんページ9

さっきまで何処かへ行っていた気持ちが
一瞬で私の頭の中を支配する。    

小島
「A……、顔真っ青やで？
もしかして……あの人……？」     

周りの空気を読むことが得意そうな健は何かを察する。

 健の顔を見て良規も
何かただならぬ雰囲気だと感じたみたいだ。
私からあの2人が見えないように身体を寄せてくれた。    

2人の優しさに出し切ったはずだった涙が目に溜まる。

   正門
「A、俺でよかったら話聞くで？」  

小島
 「俺も。俺、声はでかいけど
誰かに言うようなことはせんで？」

　

      2人の優しさに甘えたくなった  私は
ぽつり、ぽつりと誠也くんへの想いと
今日あったことを話し出した。          

『15年以上……好きだったんだ』  

　

小島
「………。」  

正門
「そっか……」     

想像以上に深刻だった私の話に
健も良規も何も言葉が出ないみたいだった。

 変な空気にしてしまった。  

どうしようかな…
何か明るく振舞おうかと考えていたその時

     晶哉 
「アホやん」     

今まで健や良規としかしゃべらずに
ただご飯を食べていたあいつが声を発した。 

しかも今、なんて言った？    

『アホやん………？』  