目当てのもの ページ37
そして二人の好みが合致したもの。
それは……
『うん、これは可愛い!』
晶哉
「これなら付けてくれるやろ、季節も季節やし」
1万8千円のシックな色のマフラー。
今回の私の予算は2万円。予算内だし、肌触りも良い。
そして何といっても晶哉のお墨付きのデザイン。
これなら誠也くんも喜んでくれる!!
ラッピングを待っている間、まるで何かの課題を達成したみたいに、してやったと言う顔をする私達。
晶哉のニコッとした顔って、いつもの大人ぶった顔から急に幼くなるから見ていてこちらもニコッとしてしまう。
私の前であまり笑わないからこそ、笑ってもらった時の幸福感というものもあるのだと知った。
店員
「ありがとうございました」
紙袋を片手に店内を出る。
もう日は暮れていて、クリスマスが近いからかイルミネーションがちらちらときらめく。
あるお店のショーウィンドウ。
パッと視界に入っただけ…なんだけど…
私の中で安易に、想像できた。
『ちょっと待ってて!』
晶哉
「うおっ!なんやねん」
私は閉店ぎりぎりのそのお店にダッシュで入る。
ラッピングは、と聞かれたが要らないと答えた。
ついでに値札も切ってくださいと頼んだ。
私は片手にソレを持って外でスマホをいじりながら待っている晶哉の元へ向かう。
早くこれを見せたい、渡したい。
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作者名:もなか | 作成日時:2024年1月22日 1時