15年 (ページ35)

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喧嘩ばかりのショッピングページ35

『いやいや、それは申し訳………』  

小島
 「ってことで！よかったなA！」

   『……え？なに？』  

正門 
「A聞いてなかったん？晶哉良いよって言うたで？今」          

え、えええ！？なにがあったさのまさや。
  首を痛めるのではないかというくらい思いきり隣を向く。 
晶哉は何も気にしていない様子で枝豆をひたすら食べている。   

小島
 「晶哉おったら優柔不断なA見て色々決めてくれそうやし！」 

正門 
「そうやな！A良かったやん」

       『ヨ、ヨカッタナア。ホント、ヨカッタ』

       

 『なんで！？この色可愛いじゃん！』 

晶哉 
「それはお前が好きな色だからやろ？こんなの男が貰ったら引くで」

  『引くまで言わなくていい！』       

やっぱり私の予想は的中した。 
お昼過ぎに待ち合わせをして一番に「うわ、その格好嫌いやわ」と言われて喧嘩。 
店に入るたびに喧嘩。 
もう何回店員さんに「ま、まあまあ、お客様」と宥められただろう。
   お互いの不機嫌モーターは既に上限をぶっちぎっていて、晶哉は頭をガシガシと、私は指をトントンと自分の肘に叩いてイライラしていた。      
もうそろそろ全ての店を見終わってしまう。 
もうここでも喧嘩したらバイバイしよう。
これがお互いの為だ。私たちは合わない。  

晶哉 
「あ、おい。早歩きすんな」   

ずんずんと目的の店へ足を進める。 
はずだったが、足が止まった。そして少し後退する。
  晶哉はいきなり奇怪な動きをした私を怪訝な目で見ている。
2メートルくらい離れて  私が止まったお店は、メンズのお店ではなくストリートファッションを基点としたレディースブランドのお店だった。
  あの、黒のMA-1かわいい。  

 晶哉
 「欲しいん？」    

いつの間にかすぐ後ろに晶哉が立っていた。
 晶哉の視線の先には、今私が見ていたMA-1が。    

『あ、いや……』    

何自分の服を見ているんだ。
しかもストリートファッションなんて。 
誠也くんが好きなのはガーリーで、オフショルダーだったりする可愛い服なんだ。 
こういうパンツスタイルのファッションは着ちゃだめ
  踵を返して目的のメンズのお店へ方向転換する。

   『なんでもない、行こう』   

晶哉の背中をポン、と叩いて促す
だけど晶哉はそのままレディースのお店へ入ってしまった。