15年 (ページ33)

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チャンス？ページ33

あれから3か月以上経った。
   3か月経った今でも、私の頭の中と心は整理整頓出来ていない。     

あの夏休みから、誠也くんはいつもの誠也くんじゃなくなった。   あの夏休みが終わって実家からこっちへ戻ってきたら、誠也くんは戻ると思った。 
絵里さんが隣にいる、あの誠也くんに戻ると思っていた。   
しかし誠也くんは絵里さんと2人じゃない時も私に話しかける様になった。
 母親への誕生日プレゼントを買いたいから一緒に来て欲しい、と毎日続くLINEの中で誘われたりもした。  
流石にそれはアウトだろう、と思い断ったが
「絵里にも承諾を得ている」と言われては断りたくても断りきれなかった。
結局、誠也くんと一緒に電車に乗って、駅前のショッピングモールで午前中から夕方まで買い物をしたのだった。

       小島
「それって大チャンスやんか！」   

『や……やっぱり……？』      

いつもの週末、いつもの4人でいつもの居酒屋さんでご飯を食べている最中、健が箸をこちらに向けて言ってきた。
ちょっと、口の中の物見えてるから。  

ここ最近の誠也くんの行動からして、実るのではないかと健に急かされ続ける。     

正門 
「入学当時よりAすごく楽しそうやで？よかったわ」

   健がお冷ですー！と冗談交じりに水を渡してくる。      

『え、そうかな……まあ、昔みたいに誠也くんと遊べるようになってすごく嬉しい……かも』

  小島
「ヒュウヒュウ～！ええな！青春って！な？晶哉」

  晶哉
 「おい、肩揺らすなや」 

  小島
「まあまあ、でもこれで誠也さんのクリスマスプレゼントも無事渡せそうやな」     

健の言葉に私はうんうん、と大きく首を縦に動かす。
 もーすぐクリスマス

 今までだって毎年プレゼントは渡していたけれど、ここ何年は郵送とか、誠也くんのお母さんに頼んで渡してもらっていた。
今年は、やっと手渡しで渡せる

正門
 「Aはクリスマス実家帰るん？」 

 『うん、その時に渡すつもり。良規は？』

 正門
 「俺はバイト入ってもーてさ…健と一緒に過ごすことなったわ……」 

小島
 「おいまっさん！なんでそんな嫌そうに言うん？」 

  『2人仲いいから鍋とかやればいいじゃん。晶哉は？』

 晶哉 
「俺はばーちゃん家」

  『ふーん』     

クリスマスにバイトって入っちゃうものなんだな

私は短期のバイトで良かったな、としみじみ感じた