15年 (ページ20)

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辛い優しさページ20

誠也くんの声は聞きなれているけど、
2人が一緒に居るところはまだ見慣れない。    

誠也
「Aちゃん。
昨日も俺LINE送ったんやで？
スマホ見とらんかった？」

   『あ……うん、ごめんなさい……通知をオフにしてて……』   

誠也
「あ、そうだったんや。何かあったんかと思って心配したわ」

     眉を悲しそうに下げながら私を見つめる誠也くんは
正真正銘私の大好きな誠也くんだ。 

でも、今はその優しさがきつい。   

絵里
「私もLINE送ったんだけど通知オフにしてたんだね？
もし時間あったら返信待ってるね」

誠也
  「おい絵里。今は俺とAちゃんが話しとるんやから」   

途中で私と誠也くんの間に入って
私に微笑みかけてくれる絵里さんに冗談ぽく怒る誠也くん。

怒っている様だけど口元は上がっている。

絵里
  「ふふ、誠也ごめんごめん。
大好きなAちゃんを取られて機嫌悪くしないで？」

誠也
  「絵里はいつもそうやって俺を馬鹿にすんねんな笑」     

大好きな私を取られて、なんて馬鹿馬鹿しい。

私はいつまでこの2人の茶番に
付き合わないといけないのだろうか。   

…え？私、今、すごくひねくれてること思った？