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初恋の人はページ9

早朝の5時頃

早く目覚めた私はスマホを見ると

健くんから連絡が来てた

偶然私もオフだったこともあって

家に来ることを許可すると

健くんは

始発で東京にやってきた

「健くん、暇なの？」

健『おん、暇やからAが俺の相手して』

珍しくかまちょな健くんだったけど

特に何も気にしていなかった

2人でネトフリで見たい映画をチョイスする

私も健くんも好きなジャンルが正反対なのに

健くんは必ず私に譲ってくれる

映画も見終わって

作ったオムライスを2人で食べていると

健『恋バナせぇへん？』

「急だね笑」

健『高校の時からの仲なんに
1回もAの恋愛事情聞いた事ないなと思って』

今思えば私は友達の恋バナを聞く専門で

誰かに自分の話などしたことがなかった

「たしかにそうだね」

健『Aの初恋っていつなん？』

「高3」

健『出会いは？』

「習い事しててそこで出会ったの」

健『きっかけとかあるん？』

次々に質問してくる健くん

すごく私の初恋に興味持ってくれるんだね笑

「はじめは年下のくせに見た目は大人っぽいけど生意気な奴って思ってたんだけど…

私、高3の頃ストーカーされたことあったんだ」

健『は？』

「夜遅かったけど汗だくで部屋着のスウェットてその人が助けに来てくれたの。きっと私を心配してそんな短いスカート履くなとか怒鳴って説教もしてきて…」

健『うん』

「でも最終的には終電ギリギリなのに家まで送ってくれたの……私にとってヒーローみたいな存在」

健『告ったん？』

「告白しようとした日にデビューの通知が来たから諦めたの」

健『Aらしいな』

「デビューしなければ今頃付き合ってたと思う」

健『え？』

「その人が私に告白してくれたの…私も好きだったけど振った

　でも未だに私はあの日から前に進めてないんだけどね」

晶哉を思い出しては苦しくなって

健くんに悟られないよう私は無理して笑顔を作る

「私は全部言ったから健くんの番だよー？

そもそも健くんって好きな子いるの？笑」

健『それ俺じゃあかん？』

「なにが？笑」

健『Aが前に進むきっかけ…俺じゃあかん？』

「…え？」

健『俺の好きな子、Aやねん』

「冗談やめてよ健くん笑」

健『冗談ちゃうわ！』

急に声を荒げた健くん

健『俺が人生で初めて好きになった子がAや』