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むかつくページ39

『 A！』

私を見つけた瞬間

私を抱きしめる晶哉

晶哉『無事でよかった…』

安心した私は晶哉の胸の中で思いっきり泣いた

晶哉はしゃくりあげて泣く私の頭をひたすら撫でてくれた

「誰も見つけてくれないと思ってたっ…もしここで死んじゃったらどうしようって」

晶哉『俺がAのこと見つけれんわけないやろ？だから不安にならんでええよ』

私は晶哉と向き合う

晶哉は走って私を探しに来たんだろう

汗を流しながら

晶哉『俺が必ず見つけたるから』

そんな晶哉を見つめていると

晶哉は自分の着ていたベンチコートを私に着せてくれた

「私はいいよ…晶哉が寒くなるでしょ？」

晶哉『寒いやろ？遠慮せんでええから着とって？』

「本当にいいから私は」

晶哉は頭をかいて

晶哉『あーもう！目のやり場に困るからゆーとんねん』

「え？」

晶哉は耳を真っ赤にして後ろを向いて言ってきた

晶哉『下着…透けとるから…』

自分の胸元を見ると

くっきりと黒の下着が透けていた

「ごめん」

晶哉『ちゃんとコート着た？』

「着たよ」

晶哉は私がコートを着たのを確認してから私に顔を向けた

晶哉『スタッフさんも待っとるし戻るか』

「うん」

歩きはじめようとした瞬間

体に限界が来ていたのか力が入らなくなって私は地面に座り込んだ

「ごめん」

立ちあがろうとしても力が入らなくて立てない

どうしよう

晶哉『乗れよ？』

晶哉は座り込む私の前でおんぶのポーズをしてくれていた

なんなの？

私のこと嫌いなくせに

急に優しくなった晶哉についていけない

なかなか乗らない私に

晶哉『遠慮せんでええから、ずっと地面座っとったら風邪ひくで？』

むかつく

私の気持ちを振り回す晶哉がむかつく

せっかく晶哉を諦めて

健くんだけを見るって決めたのに

こーしてピンチの時は必ず

ヒーローみたいに助けに来るのも全部むかつく

「私のこと嫌いなくせに優しくしないで！！」

私は初めて晶哉に怒鳴った