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今日は久しぶりに健くんとご飯に行く

健くんもデビューしたばっかりで

忙しくしていたから

連絡は取っていたけど

テレビ局ではなく

プライベートで会うのは久しぶりだった

健くんは以前外に出る時よりも入念に

マスクや帽子をして週刊誌対策をしていた

健くんが海鮮料理が美味しい店を予約してくれたらしい

店内は和食料理屋のはずなのにモノトーンで

全席個室の

オシャレでいかにも芸能人が行きそうなお店だった

「なんか落ち着かないかも」

健『今や国民的アイドルのくせして？笑』

「芸能人になっちゃったんだね健くん…私は純粋な健くんが恋しいよ笑」

健『冗談やって！引かんといてやA』

2人して笑い合っていた時

リコ『Aさん？』

聞き覚えのある声に振り向くと

リコちゃんがいて

晶哉と目があった

2人でご飯に行く仲なの？

私は晶哉と数秒程見つめあっていた

そんな私達を健くんとリコちゃんが見ていたことにも気づかずに…

健『晶哉やん！偶然やな？』

健くんは笑っているのに

なぜか少し怖く感じた

晶哉『小島くんこそ、飯食いに来たんすか？』

健『そうそう』

リコちゃんは晶哉の服の裾を掴んで

リコ『移動する？前晶哉くんが連れてってくれたラーメン屋さんおいしかったからそこにしない？』

晶哉『でもリコは海鮮食いたかったんちゃうん？』

リコ『晶哉くんが一緒ならどこでもいい！』

晶哉『よーそんな恥ずかしいこと言えんな笑』

私の目の前で繰り広げられる晶哉とリコちゃんの会話に耳を塞ぎたくなった

「健くん、私達が店を出よ？」

健『Aはええん？』

「お酒飲みに行こ健くん」

健『ええけどA酒癖やばいから飲みすぎんなよ？』

「うん」

健『飲みすぎて酔っ払ったら今度こそチューするからな？』

「えっ」

健『好きな子が目の前で顔真っ赤にしてヘラヘラ笑っとるんにスルーできるほど俺そんな器用な男ちゃうからな』

ふと晶哉を見ると目が合った

リコ『晶哉くんいこ』

リコちゃんが晶哉の手を引っ張って店から出て行った

私が晶哉とリコちゃんの後ろ姿を見つめていると

健『A、飯食おや』

健くんは笑って予約していた個室に向かって行った

健くんの笑顔は

引き攣ってるようにも見えて

怒っているように見えた