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特別になりたい(リコside) ページ23

リコside

部屋を出て行くAさんの後ろ姿を晶哉くんは見つめていた

私がしばらく晶哉くんを見ていると目が合った

晶哉『そんな心配せんでも俺なら大丈夫やで？この調子ならジャニーズメドレーも出られそうやわ』

『よかった』

そう思うのに

モヤモヤが残るのはきっと

晶哉くんに熱があることを

私じゃなくてAさんが先に気づいて

私より先に看病してたから

晶哉『リコも来てくれてありがとな！俺メンバーのとこ戻るわ』

『晶哉くん』

晶哉『ん？』

『今日の生放送が終わったらちゃんと寝て完全に風邪治してね！』

晶哉『わかった。ありがとな笑』

『それで私とまたご飯いこ？約束！』

晶哉『急やな笑ええよ』

晶哉くんは私に手を振って部屋を出て行った

中学生の頃は

晶哉くんと話せるだけで嬉しかった

晶哉くんと再会した時は

連絡先を交換できただけで嬉しかった

でもね

どんどん欲張りになっちゃうの

次に会える約束がないと

寂しいの

会える約束があると

嬉しいの

晶哉くんが優しいから甘えてしまう

晶哉くんは誰にでも優しい

私もその中の1人

でもそれじゃ嫌なの

ーーーーーー3年前

私がアクロバット教室の休憩室にある自販機で
ジュースを買いに行ったら

晶哉くんは男の子達と雑談してた

晶哉くんだ！自販機来てよかった

晶哉くんはスマホを見た瞬間に

立ち上がる

男A 『晶哉どうしたん？』

晶哉『ちょっと駅の方行ってくる』

男A 『なんで？今はやめたほーがええ大雨やで？』

男B 『Aさんになんかあったん？』

晶哉『A傘忘れたらしいねん、だから俺今近くおるから一緒に行かへん？って言った』

男A 『全然近くにおらへんけどな？笑』

晶哉『わざわざ行くって言ったらAが気遣うから』

男B 『晶哉お前ほんまにAさんにベタ惚れやんな？』

男A 『晶哉は普段から誰にでも優しいから好きな子への態度が異常やねんな笑』

晶哉『異常ちゃう！もっとええ例え方しろや笑
Aは特別やねん！特別』

そう言い残して晶哉くんは傘をさして

ダッシュして雨の中消えて行った

ーーーーーーーーー

ねえ晶哉くん

私もあなたの特別になりたいです