U R 2 (ページ22)

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発熱ページ22

「熱あるでしょ？」

晶哉は私の衣装をボーッと見つめる

新曲の衣装である真っ白のフリルドレス

こんなに近くで晶哉に見られるのは

恥ずかしい

晶哉『かわええ』

えっ…

ねえ晶哉？

いま可愛いって言ったの？

晶哉の顔がどんどん近づいてきて

キスする手前で私の肩に倒れ込んだ

「まさや！？」

高熱で気を失った晶哉を空き部屋のソファーに寝かせる

部屋にあったタオルで額の汗を拭く

「晶哉のバカ…むりしすぎ」

マネージャーに薬を買ってきてもらって

晶哉を無理やり起こして薬を飲ませる

晶哉『ケホッ』

薬も飲んだしこれで少しは落ち着くかな

晶哉の寝顔を見ながら

汗ばんでセンター分けになった前髪を整える

このまま時が止まればいいのに

30分後

晶哉は目覚めた

晶哉『A？』

「熱…朝からでしょ？」

晶哉は頭をかいて頷く

「パフォーマンス中も普段なら絶対息継ぎしないところでしてたし、歌い終わった後顔が引きつってるよーに見えたからもしかしてって思ったけど」

晶哉『メンバーも気づいてへんのにすごいな』

さっきよりは顔色もだいぶ良くなってる

よかった

「熱も少し下がったし、加湿器はつけたし、あとはエアコン調節して…」

晶哉『A、俺は大丈夫やから落ち着けや』

その時晶哉のスマホが鳴る

晶哉が電話に出る

晶哉『もしもしリコ？そーなん？リコもゲストでMUSIC DAYでとったんねや？…ああ声おかしい？風邪なったんよ……
え！？今から来る？』

私と晶哉は見つめ合う

晶哉『わかった。待っとるわ』

晶哉はそう言って電話を切った

リコちゃんがくるんだ…

「リコちゃんと仲良いんだね」

晶哉が答えようとしたタイミングでリコちゃんがやってくる

リコ『晶哉くん大丈夫！？』

リコちゃんは焦った顔で走って晶哉に駆け寄って

熱を確かめるために晶哉のおでこを触った

リコ『熱は下がってる感じだね』

晶哉の熱を測り終わったリコちゃんと目が合う私

リコ『Aさん？』

なぜか私はリコちゃんに気を遣ってしまって

「ごめんなさい！私、偶然佐野さんが倒れたところに遭遇しちゃって…じゃあ私はここで」

去り際に晶哉を見るけど

晶哉は一切私を見ることはなかった