休日 ページ6
今日は休日。
私は1番の親友の美里と一緒に休日を過ごしていた。
もちろん、ありのままの格好で。
美里「それ、ウィッグ？」
「そうだよー！これ付けないと髪の毛ホントに男子だから」
美里「ふーん」
普段はもちろんショートヘア。
でも、こう見えて年頃の女の子。
オシャレくらいはしたいからウィッグをつける。
スタバを飲みながら、ロングカールのウィッグを摘む美里。
美里「それで最近どう？男子校生活の方は。」
美里には私の事情を全て話している。
「今の所大丈夫。よくチビってからかわれるけど」
美里「気をつけなよ？Aドジなところあるんだから」
心配そうな表情で私を見る美里。
「うん、ありがとう。」
美里「そろそろ行こっか！」
お互いドリンクが空になったところで、会計に向かう。
美里「外で待ってるね！」
「おっけー」
先に会計を済ませた美里はそう言ってお店を出た。
店員「390円です」
「はーい！……あれ？」
財布が見つからない。
バッグをいくら探っても財布がない。
家に忘れた？
どうしよう…
美里は外に出ちゃったし。
焦っていると、横から手が伸びてきた。
「え」
誠也「会計一緒で」
店員「かしこまりました」
千円札を置いてそう言ったのは、なんと誠也だった。
「あの、ありがとう」
誠也「ええって、女の子が困っとったからこんくらい気にせんといて？」
そうだった。
私は今、女だった。
会計を済ませると、誠也と一緒に外に出る。
美里はどこだろうとキョロキョロしていると、誠也が口を開く。
誠也「君…どっかで会ったことある？」
誠也の問いかけに、心臓がドクンと跳ねる。
「いや、ないと思いますけど…」
ジッと見つめてくるから、思わず俯く。
誠也「…気のせいか」
バッチリメイクしておいてよかった。
「じゃ、私はこれで！」
誠也「あ、ちょっ！」
軽く頭を下げて、呼び止めようとする誠也を無視して逃げるようにその場を去った。
美里には急用できた！と連絡を入れて、私は急いで家に帰った。
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作者名：もなか | 作成日時：2024年2月22日 23時
