絶対にバレるな！ (ページ48)

今日:81 hit、昨日:679 hit、合計:97,308 hit

似合ってんな？ページ48

鏡の前に立ちつくす。   
とりあえず、トイレの個室に入って渡された衣装に着替えた。

    当たり前だけど、まんま女子。

   これ多分アウトだよ。

    やっぱり誰かに代わってもらおう。

   再び着替えようと個室に入ろうとすると、    

健「凛。まだー？」   

やってきた健と目が合ってしまった。

    健「…え」

   健は私を見るなり固まる。    

「ど、どうかな」

   健「めっちゃ可愛ええやん…」   

「ありがとな」

   健「はよみんなに見せようや！」

   「え、ちょっ！」

   健に手を引っ張られ、トイレを出てそのまま教室に連れ込まれた。    

クラス中が私に注目する。   

リチャ「凛。めっちゃ女の子やな！」

    正門「…やば」

   盛り上がるクラスメイトたち。

  …2人を除いては。   

健「てか！ 誠也くん彼女にそっくりちゃう！？」   

リチャ「あー！見たことあると思ったらせやな。  似てるな。」

   リチャはそう言って誠也を見る。

   誠也「あ、あぁ！ 言われてみれば似とるかもな…？」   

バレないように話を合わせようと必死な誠也。    

そっくりと言われてるだけで、バレてはない？   

とりあえず大丈夫なの、かな…

    一安心していいのかな？

    健「これでほんまに女の子やったら最高やんな？」   

そう言った健の両手は私の胸に思いっきり触れた。

   「っ…！！」   

晶哉・誠也「！！」   

突然の出来事に、思わず身体が固まる。

    どこ触ってんのよ！！  って言いたいけど言えない。

   健「…え、何？どうしたん！？」   

「い、いや…女じゃなくて悪かったな！」

   健の手を掴んで退かす。   

健「いやホンマ残念やわ～」    

あ、焦った…  

どうやらサラシ巻いてたおかげでバレずに済んだらしい。

   巻いてても、晶哉にはバレたんだけどね…

   健がバカでよかった。笑    

ホッと胸を撫で下ろすと、メイド姿の正門が近づいてきた。    

正門「なかなか似合ってんな？    Aちゃん。」    

「は…？」   

本名を耳元で囁かれた。   

目を見開いて正門の顔を見ると、彼はニヤリと笑った。