保健室 ページ45
数日後。
健「凛ペンキ取ってやー！」
「はーい！」
教室は学園祭の準備で大忙し。
…そう、我が校は学園祭シーズンに突入した。
普通なら楽しいはずの学園祭。
だけど私はとっても憂鬱な気持ち。
何故ならうちのクラスはメイドカフェをやることになった。
なんでよりによって女装企画なんだよ…
メイドになる人を決める方法はじゃんけん。
負けた人ではなく、勝った人がメイド役になることが決まって、
負けるように神様にお願いしたのに私は見事勝ち抜いてしまった。
神様は意地悪だ。
私が勝った時、私の正体を知る晶哉と誠也は複雑そうな表情をしていた。
女装したらAだよ！？
Aの姿は夏祭りの時に6人に見られてる。
バレちゃうじゃんどーすんの！？！？
凛くん最大のピンチ。
健「凛！まっさん！衣装合わせるでー！」
正門「おーう」
晶哉・誠也「！」
うわ、早速来た……
「あ、待って…お腹痛い…いたた…」
私はお腹痛いフリをしてしゃがみ込む。
健「大丈夫か？」
晶哉「俺保健室連れてく」
誠也「俺行く」
晶哉「その手じゃ無理ちゃうん？」
晶哉はペンキ塗れの手の誠也にそう言うと、私のことを立たせて背中を押す。
教室を出る時、舌打ちが聞こえた気がした。
「ごめん、ありがとう…」
保健室に着いて晶哉にお礼を言う。
晶哉「…仮病やろ？」
「まぁ…」
晶哉「どうするん？」
そりゃまあ、この学校で女装なんてしたら終わりですよね…。
それが本来の自分なのだけども。
「晶哉くん、代わってくれませんかねぇ？」
晶哉「はあ〜？絶対無理！」
「そんなこと言わずに〜ね？お願い！！」
目の前で手を合わせて必死にお願いする。
晶哉「彼氏に頼めばええんやないん？」
彼氏……誠也のことだよね。
彼氏と言われても実感湧かないな…
でも彼氏なんだよね…
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作者名：もなか | 作成日時：2024年2月22日 23時
