正門side ページ44
正門side
キスしてしまった。
しかも、男に。
いや、男なのか？
俺のクラスには可愛い男子がいる。
その名も凛。
凛は俺の前の席。
席が近いからか話すし、授業中も常に視界に入る。
可愛いしなんか妙に女子っぽいところがあるというか。
背も小さいし。
最初はそこまで気にしてなかった。
気になり始めたんは、体育祭の日。
凛は二人三脚で足を怪我したらしい。
晶哉に抱き抱えられて保健室に行った。
しばらくして晶哉が戻ってきて、更に少しするとそいつも戻って来た。
足を引きずっとる凛に俺は駆け寄って肩を貸した。
その時に感じた体の華奢さに驚いた。
それに何だか体つきが柔らかいし…。
女の子みたいやで？と冗談っぽく聞いたらもちろん否定されたけど。
当たり前や。ここは男子校やし。
だけど、最後の競技が終わって晶哉が戻ってきた時、
凛は怪我してるのにも関わらず、晶哉に向かって走った。
案の定、凛は痛みで転びそうになる。
それを晶哉が抱き留めて、安心…と思ったら、凛はめちゃくちゃ動揺して晶哉から離れた。
その身体を再び支えたのだけど、凛の顔は真っ赤だった。
なんで？
凛は晶哉のことが好きなん？
男が好き？
それとも…やっぱり女なんか？
その日から俺は、凛のことを見る目が変わった。
そして今日、凛にキスをした。
なんでしたのかは自分でもよくわからない。
2度目のキスは避けられ
けど、顔を真っ赤にして去っていく背中を見て俺の中で何かが変わった。
凛。お前
…
女やんな？
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作者名：もなか | 作成日時：2024年2月22日 23時
