女の顔 ページ39
それから放課後。
帰ろうとすると、誠也に手を掴まれる。
誠也「帰ろ」
「ちょ、」
誠也は私の返事も聞かずに強引に手を引いた。
そのまま学校を出て2人で歩いて、気付けば自分の家の前。
わざわざ送ってくれたの、かな？
「…送ってくれてありがとう」
誠也「それよりさっきの続きは？」
…えっと。
キスのことを言っているのか？
「ここじゃ、ちょっと…」
誠也「どこならええん？」
「うち目の前だし、うちで…」
誠也「……俺はええけど、お前いいん？」
誠也の瞳が揺れる。
それはどう言う意味で言ってるんだろう。
「いいけど…」
誠也「……そ」
誠也が少し戸惑ってたことにも気付かず、私は何も考えずに誠也を部屋に入れた。
その安易な判断をしたことが後悔に繋がるなんて、その時は気付けなかった。
どうして気付けなかったんだろう…。
家に上がって、私は誠也にキスをしようと近づく。
「本当に、キスしたら黙っててくれるんだよね？」
一応再確認してみる。
誠也「黙るよ」
「わかった。じゃあ…」
私は意を決して、ゆっくりと顔を近付け、一瞬だけ唇を重ねた。
「…したよ」
誠也「……危機感とかないん？？」
「え？」
誠也「誰もおらん家に誘われて、キスされて…
耐えれると思っとるん？」
「…え」
次の瞬間、視界が一転した。
ベッドに押し倒されたんだと気付いたのは数秒後。
「な、なにしてんの！？離せよっ！！
俺はそんなつもりじゃ…」
誠也「俺じゃないやろ？
A」
今度は誠也の方から近づいて来て、唇が重なる。
さっきとは違って濃厚なキス。
何とか誠也から逃れようともがいても、誠也の身体はびくともしない。
それどころか、終わらない深い口付けに頭がボーッとしてくる。
やっと唇が離れると、誠也はニヤリと笑った。
誠也「めっちゃ女の顔になっとるで？」
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作者名：もなか | 作成日時：2024年2月22日 23時
