図書室 ページ36
二学期最初の授業は何一つ集中できないまま、昼休みを迎えた。
すぐに教室を出ていく晶哉から少し間をあけて私も立ち上がる。
教室を出ようとすると、腕を掴まれた。
誠也「どこ行くん？」
わたしを引き止めたのは誠也。
「…ちょっと先生に用事があって」
誠也「…そーなん」
誠也の手が離れると、逃げるように教室を出た。
何考えてるんだろう。
何となく、誠也が怖い。
いろいろ考えてるうちに気づけば図書室の前。
深呼吸をしてからゆっくり扉を開けて中に入ると、晶哉が腕を組んで机に寄りかかって立っていた。
他に生徒はいないみたい。
「…お待たせしました」
晶哉「何で敬語？笑」
「いや…その」
私のことを真顔で見つめる晶哉が怖かったから…なんて言えない。笑
晶哉「誠也くんが言ってたことホンマなん？」
「…まあ、はい…」
晶哉「なんで？断ったんじゃなかったん？
それは嘘なん？それとも後日やっぱり付き合おうって言ったん？
誠也くんのこと好きなん？」
「ちょ、」
質問が多い！！
頭の中が混乱してくる。
晶哉「あ、ごめん。
…誠也くんにバレたん？女やってこと」
「それは…」
どうしよう。
ここで本当のことを言ったら、晶哉は誠也に何か言ったりするかな。
もし言ったとして、誠也が怒ってバラしたりしたら…
だめだ。
むやみに言うのはやめよう。
私は首を横に振る。
「バレてないよ」
晶哉「だとしてもまずいやろ。
付き合ったなら、バレるのも時間の問題ちゃうん？」
「それは、気をつける」
晶哉は深い溜息を吐く。
晶哉「もう2人では遊べんな？」
「それは！この姿でなら遊べるよ！」
晶哉「俺が無理なんよ。ごめんな？」
晶哉はそれだけ言うと、図書室を出て行ってしまった。
晶哉の言っている意味がこの時の私にはまだ理解できなかった。
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作者名：もなか | 作成日時：2024年2月22日 23時
