絶対にバレるな！ (ページ34)

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握られた弱点ページ34

「ま、待って！」   

玄関に向かう誠也を引き止める。    

誠也「なに？」

   「このこと誰にも言わないで…お願い…」

    誠也は何か少し考えた後、口を開く。    

誠也「誰にも言わへんよ。    俺と付き合うんならな？」

    「え」

   まさかの一言に固まってしまう。   

誠也と、付き合う？

    そんな…   けどもし断ったら、私は女ってことをバラされて退学になってしまう。

    絶対に卒業するって決めたんだ。

退学だけは絶対に避けたい。

    誠也「どうなん？」

   「っ…わかった。付き合うよ」   

そう返事をすると誠也は再び私に近づく。    

そして耳元で、   

誠也「よろしくな、A」   

そう囁くと、そのまま私にキスをした。    

しばらく私はその場から動けなかった。   

誠也はいつの間にかいなくなっていて、ようやく我に帰る。

    誠也にキスされた？

   顔が熱くなっていくと同時に、ドキドキが止まらなくなる。    

ファーストキスを簡単にも誠也に奪われてしまった…    

そして、  、

誠也と付き合うことになってしまった。

    想像も付かない未来に、恐怖が生まれる。    

これからどうなってしまうのだろう。    

夏休みは後少しで終わる。    

学校が始まるのがこんなに怖いと思ったことなんて今まで一度もないよ……      

そんなことを考えてるうちに、残り少ない夏休みはあっという間に終わりに近づいていった。