また2人で ページ29
「うわあ〜綺麗！てかこれうんま！」
晶哉「……。」
ふと見ると晶哉からの視線を感じた。
「ん？何？」
たこ焼きと焼きそばを交互に食べながら晶哉を見る。
晶哉「…何もない」
「そっか！」
たこ焼きをパクッと食べて、再び花火を見上げる。
晶哉「…ムードの欠片もないやん」
「？」
晶哉が小声でボソッと何か言った気がしたけど、聞き取れなかった。
晶哉「それ俺もほしい」
「はい！」
たこ焼きのパックを晶哉に渡す。
晶哉はそれを受け取ると、たこ焼きを1個口に運んだ。
晶哉「うまい」
「でしょ？美味いよね〜！」
そうして気づけば花火そっちのけで2人で買ったものを分け合って食べた。
そして、帰り道。
晶哉「…なぁ」
「ん？」
晶哉「また2人で遊ぼな？……A。」
急に本名を呼び捨てで呼ばれて、思わずドキッとする。
「う、うん！また遊ぼう」
そう言って微笑むと、晶哉もニコッと笑い返した。
「じゃあまたね！
送ってくれてありがとう」
アパートの前に着いて、晶哉にお礼を言う。
晶哉「うん、またな？」
晶哉は私の頭をポンと撫でて微笑んで、帰って行った。
その光景を見ていた人がいたなんて、その時は気づきもしなかった。
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作者名：もなか | 作成日時：2024年2月22日 23時
